塩谷町は、荒川放水路(玉生)の整備に着手する。区間は旧役場北側の主要地方道藤原宇都宮線と旧道との交差点付近から荒川までの延長約730m。既設水路に沿ったルートに幅3mのL型擁壁水路を築造する。2025年度事業費は繰り越し予算を含め約7000万円。工事は下流から進める方針で、5月に荒川接続部の放流施設(ボックスカルバート)工事と放水路工事を指名競争で入札する。現場工事は11月以降を予定。総事業費は概算5億円。整備完了までに5年程度の期間を見込んでいる。
放水路は旧役場周辺の玉生市街地や地域防災の要となる国道461号、県道藤原宇都宮線などの浸水被害解消が目的。西山、玉生宿地区で大雨時に既存水路が溢れており荒川への放水路を整備する。設計は玉川測量設計が担当。24年度は放流先の荒川を管理する県と河川協議を行った。
放水路の上流端は県道と旧道の交差点西側の水路分岐点。東進後に南進し、再び東進して認定しおやこども園北側で荒川に合流する。既設水路は柵渠主体の構造で幅は1・5~2m程度。
放水路は毎秒13・5立方mの計画排水量。延長は727・8m。断面は全区間共通で幅3m×高さ2mのL型擁壁水路。3面張りで底面は現場打ちコンクリートとする。
法面は勾配1対1・5で防草コンクリートを施す。片側にアスファルト舗装の管理用道路を設置。全幅6m(車道5m、路肩0・5m×2)で水路側に防護柵を設ける予定。
25年度に工事を実施する荒川への放流施設(ボックスカルバート)は堤防を開削して設置。施設規模は延長14・9m、内空幅3m×高さ2m。既設の排水施設などは撤去する。
水路工は放流施設工の隣接区間。延長は41m。周囲は水田地帯。工事にあたっては出水・農繁期を避け11月以降に実施していく考え。
放水路ルート上にあたる県道・旧県道など道路の横断部は荒川堤防部を含めて5カ所程度にボックスカルバートを設置する。
事業費は25年度当初予算の工事費2500万円のほか、繰り越し分として工事費2970万円、用地測量費1000万円、用地費500万円を計上している。