県は15日、群馬県民会館について廃止する方針を固めた。第2回定例県議会で「群馬県民会館の設置及び管理に関する条例」を廃止する議案と併せて、県民会館の周辺エリアを含めた新しい文化拠点として複合施設の整備を検討するため、群馬県民会館エリア利活用検討調査業務委託料3000万円を要求する。業務は予算承認後、6月中の公募型プロポーザル公示を予定。県民会館は解体する方針だが、検討結果により利活用の可能性もあるとしている。
県民会館(前橋市日吉町1-10-1)はSRC造地下1階地上5階建て、延べ床面積1万3528㎡規模。1971年10月29日に開館した。
同検討調査業務では基礎調査を実施し、基本コンセプトをまとめる。基本構想の策定は2026年度に計画している。周辺エリアを含めた新しい文化拠点の基本コンセプトや方向性を検討する。新しい文化拠点のイメージとして、多様化するニーズや変化する環境、さらには人口減少時代にあって、より持続可能な施設運営を目指していくため、施設の統廃合も含めた長期的な視点を取り入れ「文化」や「アート」「学ぶ」といった多彩な機能を集約し「エナジー」を生むような文化拠点を目指す。未来を見据え、時代のニーズに沿った新たな文化拠点のあり方を考えていくとし、ニーズの把握から進める。新たな文化拠点の検討に当たっては県議会や前橋市とも連携しながら取り組んでいく考え。
整備の検討に当たっては、新時代の新しいハイブリッド型の文化拠点とし、ワイズスペンディングの視点と県民幸福度の向上を両立させることを念頭に進める方針としている。
廃止の理由に県民ニーズの減少や施設存続に多額の改修費が必要となることを挙げている。県はこれまでに県議会の決議等を踏まえ、施設の必要性について、慎重に検討を進めてきた。具体的には◇利用状況分析◇県民アンケート◇前橋市との意見交換◇文化審議会からの意見聴取◇知事による現地視察-などを実施するなど検討を重ねてきた結果、県有施設のあり方見直し報告書の最終報告の方針と異なる要素は認められないと判断した。
山本知事は「知事としての決断を理解してもらえるよう、県議会に対して丁寧な説明を行うとともに県民の皆さんの声やニーズをしっかりと聞きながら、新しい文化拠点の検討を進めていきたい」と述べた。