初めての所属長職となり「緊張感を持って所属の責任者として務めを果たしたい」と抱負を語る。一方で「職場は明るく和やかであって欲しいと考えている。チームワークを持って、皆が一緒に前を向いて仕事できればと期待する」と話す。また、施策においては、「県森林・林業基本計画2021-2030の目標達成に向け、素材生産量の確保と安定的な製材品の供給を図り、資源と資金が林業で循環する自立した社会の実現に向けて取り組みたい」と意気込む。
過去の思い出深い事業を聞くと、2007年の豪雨災害の復旧をあげ、「受注者の方には大変なご尽力をいただいたが、無事完成することができた。住民の方が避難先から戻られ、以前亡くなった旦那さんとの思い出の家を守ってくれてありがとうと大泣きされた。森林土木事業を担当する充実感を感じることができた」と回顧する。
所管地域の課題については「水源のかん養や土砂災害防止など、森林の持つ多くの機能や役割が高度に発揮され、県民の皆さまに、森の恵みをより実感していただけるような、森林の維持・造成を進めることが重要」と考えを語った。
若手職員へは「森林土木はマイナーな分野で、県独自の基準も多いため、書籍やインターネット情報が少ない」とし、「一番の情報源はベテラン先輩たちの頭の中であり、紙で残されているものは少ない」と話す。「年も離れ、話しかけづらいかもしれないが、物怖じせず、積極的なコミュニケーションをお願いしたい」とアドバイスを送る。
県内建設業界へは「災害発生時の速やかな応急復旧、豚熱や鳥インフルエンザの防疫作業など、まさにエッセンシャルワーカーとしてのご協力に改めて感謝申し上げる」とし、「地球温暖化の影響により、ますます山地災害発生の危険が高まっており、激甚化、頻発化が懸念される。今後とも業界皆さまのご支援は不可欠である」と話す。さらに、「森林土木の現場は、山間地の急峻で狭隘な場所での作業となり、作業効率の悪い現場も多い。施工条件の悪い森林土木の工事を受注していただくため、林野庁を中心に森林土木工事の設計・積算基準の見直しを進めており、「選ばれる森林土木」に向けて改善していきたいと考えているので、今後ともご協力願いたい」と語った。
休日の過ごし方について聞くと、「小さな庭の木の剪定や草むしり、実益を兼ねてプランターで野菜を育てている」とのこと。だが、「ことしは冬に胸椎圧迫骨折をしたため、プランターの土の入れ替えができなかった。春夏は何も野菜ができないことにショックを受けている」と教えてくれた。「鉢で梅を育てている。毎年、ちょうど一樽分の自家製梅干しが作れるだけの実をつけてくれる。梅を漬ける頃までには怪我を治したい」と話した。