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群馬県藤岡森林事務所

県藤岡森林の上原所長インタビュー

2025/05/17 群馬建設新聞


藤岡森林事務所の勤務は、約20年ぶり2回目となる。「少ない人数で効率よく業務を回していくため、職員に寄り添い、一人一人が一定の形で処理できるようアドバイス等を与え、所内での協力体制を築き、管内の森林・林業等に関するニーズに対してきちんと向き合い、適切に対応したい」と抱負を語る。

管轄は「藤岡市、多野郡の神流町と上野村と奥深いエリアであり、管内中央から西側は急峻な山々に囲まれ、神流川の水源地域をなしており、林野面積は管内総面積の約8割である」と地域の印象を述べる。

業務は、森林整備・治山事業の推進、県産木材の需給安定、特用林産物の生産流通対策、森林組合の指導監督など多岐分野にわたり、ハードかつソフトなスキルが要求される。

森林土木である治山事業は、森林の維持造成を通じて、台風や集中豪雨等に伴う山地災害から住民の生命・財産を守り、また森林の持つ公益的機能(水源涵養、土砂災害防止等)を発揮させる重要な事業であるとし、「今年度も管内では、森林整備保全事業計画に基づき、山地災害危険地区を考慮し国庫補助および県単事業により、荒廃渓流を中心に治山ダム等を整備する。山腹法面においては落石対策、森林では、保安林整備を予定している」。他の事業では「林道、森林公園等の整備も進めていきたいと考えている」と語る。

思い出深い仕事については、かつて人事交流の一環であった某県税事務所での収納(徴収)業務。県税の賦課徴収を行う第一線の執行機関であり、納税者と直接、接する機会を持つため、守秘義務等もあり、多くは語れないとしたうえで、「森林土木工事等で予算を使う立場から、予算の財源を確保する業務に携わった2年間の経験は、非常に貴重なものであり、その後の公務員での職務にかなり影響を与えたと考える。それは、県民の方々に税金の使途等についてご理解いただき、納税していただくことがいかに大変なことなのかを身をもって知ることができたから」と語る。

建設業界に対しては「当所特有の狭あいな渓流、急峻な山腹等での工事や災害対応に対して、熟練した技術や長年の経験により、安全かつ丁寧な施工に努力していただき、非常に感謝している。引き続き、地域の安全のためにご協力をお願いしたい」と呼び掛ける。

一番の趣味は学生時代から続いているジャズを聴くこと。魅力は「アドリブにおける、美しいものを作ろうとするプレイヤーの気迫が、聴く人にエネルギーを与えてくれるから」だという。サックスなどの管楽器が入る重奏を好む。「評論等を参考に、自分好みの音色でアドリブを奏でるプレイヤーに何人か出会えるので、その人の足跡(アルバム)を辿るのがおもしろく、はまると抜け出せない深い沼である」と笑顔を見せる。

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