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【道路陥没】検討委が第2次提言案/「人の群マネ」で連携を

2025/05/19 本社配信

 埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえて国土交通省が設置した対策検討委員会が、第2次提言(案)をまとめた。自治体の技術者不足を考慮した新たな連携体制『人の群マネ』、財源不足で更新を先送りしないための『段階的な上下水道使用料改定』を提案している。検討委では5月中にも正式に公表する。

 『人の群マネ』は、下水道を管理する自治体では技術職員が不足していること、人材養成が難しいことを踏まえたもの。インフラマネジメントを担う技術職員が群となって自治体間で協力し、組織を越えたつながりを図ることを提案している。

 『段階的な上下水道使用料改定』は、必要な更新投資を停滞・先送りしないための財源案。利用者負担の適正化、財政の持続可能性を両立させる必要性を掲げる。災害や事故による集中的な耐震化・老朽化対策については「国が重点的に財政支援すべき」とした。

 また「地下空間という状況の全てをつぶさに把握することが難しい」さらに「管路内部の危険性を伴う過酷な作業環境」という状況から、点検から修繕などにおいて安全確保の重要性を強調し、管内作業については無人化・省力化によるDXを進めるよう提示している。

 将来的な地下空間のマネジメントに向け、点検・調査結果や設計・施工、電気やガスも含めた埋設物の設置状況などはデジタル保存で統合すべきとした。

 現在策定作業が進む国土強靱化実施中期計画に対しては、大口径水道・下水道管路の改築や更新の方策を位置づけるよう求めている。

 検討委では、夏ごろに第3次提言の発表を予定している。

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