土木学会は19日、2024年度土木学会賞を発表した。総応募件数は213件で授賞は117件。表彰式は6月13日にホテルメトロポリタンエドモント(東京都千代田区)で執り行う。功績賞は熊本県立大学特別教授の島谷幸宏氏、大成建設代表取締役会長の田中茂義氏、東京都立大学名誉教授の西村和夫氏、海域環境研究機構技術顧問の細川恭史氏、沿岸技術研究センター参与の山本修司氏の5人に贈られた。
技術賞は個別技術を評価するⅠグループが5件、画期的なプロジェクトをたたえるⅡグループは16件。今年度のⅠグループはトンネル工事で、ICTを活用したものが多く見られ、「ECI方式とBIM/CIMの活用による大幅な工期短縮とコスト縮減の達成」(設楽ダム瀬戸設楽線トンネル工事)の国土交通省中部地方整備局設楽ダム工事事務所、エイト日本技術開発、セントラルコンサルタント、清水建設。「デジタルツインを活用したICT施工管理による都市部大規模開削工事の効率化(相鉄・東急直通線新横浜駅他工事)」の清水・竹中土木・熊谷組・松尾工務店特定建設共同企業体などがあった。
Ⅱグループには治水や河川整備が多く、「小田川合流点付替え事業」(国土交通省中国地方整備局岡山河川事務所)、「新日下川放水路工事―地域の安全・安心と地域活性化に向けて―」(国土交通省四国地方整備局、鹿島建設、熊谷組・大豊建設特定建設工事共同企業体)などが授賞した。
環境賞は、先進的な土木工学的研究を対象とするⅠグループは「森林追加除染における環境と人に優しい厚層客土吹付け工法」の鹿島建設など3件。環境の保全・創造に貢献した画期的なプロジェクトを評価したⅡグループは「十日町三ケ村地区における棚田再生」の鹿島建設、農事組合法人ふれあいファーム三ケ谷など2件が対象。
そのほかの各賞は、研究業績3、論文7、論文奨励7、吉田賞(研究業績部門)1、同(論文部門)ゼロ、田中賞(業績部門)4、同(論文部門)2、同(作品部門)新設3、同(作品部門)既設2、同(技術部門)2、技術開発9、出版文化1、国際貢献7、国際活動奨励20、技術功労10が授賞した。
受賞者一覧は土木学会ホームページで見られる。