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群馬県西部環境森林事務所

県西部環境森林事務所の湯浅所長インタビュー

2025/05/20 群馬建設新聞


1997年以来となる西部環境森林事務所への就任。就任にあたり97年3月7日に発生した安中・榛名における林野火災を思い出すという。「安中市中秋間の尾根付近から出火し、約200haが被害を受けた。あの夜、近くの山々が赤く照らし出されたあの恐怖感が一瞬蘇った。今は緑豊かな山に戻り自然や木々に感動するとともに感謝している」と話す。

所管地域の印象は「榛名山のすそのなど、比較的地形が緩やかで、森林資源が豊かな地域」だと述べ、「森林整備を通して次世代にしっかりと引き渡せていきたい」と語る。

本年度も引き続き林業専用道整備を進めていきたいと意気込む。「地元関係者の皆さんと協力しながら、必要とされるところに林業専用道が開設できて、森林整備に結び付けられれば、それが理想」と話す。

思い出深い仕事には林道を担当していた際、会計検査で橋梁工事のケーブルエレクションの鉄塔の設計に関して国交省の歩掛を使用したところ、林道の橋梁規格は小規模のため、国交省歩掛の最小の値を直近上位として使用が、過大設計ではないかと指導を受けたという。もう1件は市町村の林道で路線を山側に振れば路側構造物が小さくなり安価になったのではと指摘を受け、1週間で平面図、横断図を作成して説明したこともあったとか。「どちらの件も慎重に現場に携わるようにとの検査官の親心だったのだろうが、大変疲れたのを思い出す」と語る。

事務所若手職員へは「いろいろな業務を担当したり、早くに役職に就いたりと、現場に携わる時間がなく、現場経験が少なくなりそうだと危惧している。可能な限り現場に行って現場に触れ、そして現場の人たちとコミュニケーションをとって短期間にたくさん吸収するようにしてほしい」とメッセージを送る。

建設業界へは「環境森林部の工事現場はどこも急峻、狭あいで厳しい条件だが建設業界の皆さまには、正確、ていねいに竣工してもらっていて、感謝するばかり。今後ともしっかりと連携して事業を進めていきたい」と呼び掛ける。

趣味は果樹や野菜、山菜作り。夏は毎週草刈りや草むしりに追われ、実が成り出すと鳥や獣の被害にあい、何のために作っているのかと、鳥獣対策の大変さを日々痛感していると苦笑い。「体力もなくなってきたのでことしは自分の耕運機とハイパワーの刈払機が欲しい。また、この春はポポーのチョコレート色の花が満開で、今年こそ風に負けないで実になるか楽しみにしている」と期待を寄せる。

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