今夏の第27回参議院議員選挙に建設業界の職域代表として、自由民主党から出馬を予定している見坂茂範氏。立候補表明から約1年が経過し、その間の活動、建設業に対する思いなどを語ってもらった。
この1年については、「全国の建設産業の関係者の皆さんに、一人でも多く私の話を聞いていただくよう活動してきた。私が考える政策、私の人柄を知ってもらい、頼りになる存在か、佐藤信秋先生の後継者として大丈夫かどうかをわかってもらうよう全国を回ってきた。まず県庁所在地を訪れ、2巡目はそれ以外をまわり、都道府県の建設業協会支部を訪問した」と報告。手応えとして「その結果、皆さんに共感を持っていただいたと感じている」とした。その上で「建設産業界の代表として、絶対に負けてはならない選挙」と力を込めた。
「建設業の利益率を良くし、歩掛りの見直しなどは特に共感を持っていただいた。そのあたりは国土交通省の技術調査課での経験が生きた。実務の責任者として入札契約制度、積算基準、歩掛りの策定、品確法の改正等に携わってきたので」と分析する。
業界の抱える大きな課題については「やはり人手不足。建設業界は日本の屋台骨、日本の産業を支える一番の母体と思っているので、一人でも多くの若い人が入ってもらえるようにしなければならない。それこそ私がやるべき施策」と強調。具体的には「そのために働く人の賃金アップ、収入アップにつながるような施策を実行する」と方針を語り、「建設産業界で働く人たちの仕事量の確保が大切。まずは公共投資から始め、民間へと結びつける」と意欲を示した。
また全国の中小建設業が生き残っていくためには「小規模工事の歩掛りの見直しをやらないといけない。市町村レベルの発注工事では国の基準に合わないため、国の方である程度ひな形を設ける、補正をかけるなどするべき」と考えを述べた。
国土強靱化実施中期計画に5カ年で20兆円強の事業費が確保される見通しについては、「全国で災害が頻発している状況を考えると、もっと多くの事業費を確保しても良いと感じる。全国建設業協会が25兆円規模を求めていることもわかる」と理解を示す。
建設業を志す若者に向けて「建設業には夢がある。自らが携わったものが形になって、後世に残る。地域の皆さんにも喜んでいただける。やり甲斐があるので多くの人に入っていただきたい」とメッセージを送った。
【略歴】けんざか・しげのり
1968年、兵庫県出身。京都大学工学部土木工学科、京都大学大学院工学研究科土木工学専攻を修了し、93年建設省入省。2005年道路局有料道路課課長補佐、07年近畿地方整備局京都国道事務所長、09年道路局企画課企画専門官、11年関東地方整備局企画部企画調整官、14年大臣官房技術調査課技術企画官等を歴任し、23年7月に近畿地方整備局長に就任。24年5月辞職。同6月、25年に行われる第27回参議院議員通常選挙で参議院比例区の後継として立候補することを表明し、全建から推薦状を手渡された。