前橋土木事務所での勤務は初めて。「出身は中之条町だが、前橋市に20年以上住んでいるので、地元のような感覚。県都前橋は、魅力と今後のポテンシャルから県内外から高い注目を集めており、重要な地域を所管する事務所の長として身の引き締まる思い」と語る。
「事務所職員が一丸となって、地域の皆さまの声に耳を傾け、関係機関と緊密に連携しながら、より安全で暮らしやすい地域づくりに貢献していく」と話す。
前橋市については「赤城山を背景に、利根川と広瀬川が流れる自然豊かな都市。県庁所在地として交通の要衝で、歴史と文化的な背景を有している」と認識。「中心市街地では民間主導による特徴的なまちづくりの取り組みがみられる」との印象を持つ。
本年度の事業計画と今後の事業展望としては「(都)赤城山線、(都)敷島公園大師線においては、歩行者等の安全な通行を確保するための道路整備を、県道前橋箕郷線などにおいては災害時にも機能する強靱な道路ネットワークの構築を図るとともに、良好な景観形成のための電線共同溝を推進する」と説明。新たな県土整備プランでは、中心的事業となる利根川河川改修事業や、地域に密着した多くの事業が「着手予定」だと説明する。
これまで道路や橋梁事業に長く携わっており、思い出深い事業には上信自動車道の建設を挙げる。「道路中心線の決定、測量、橋梁設計、施工管理まで、多岐にわたる業務に携わることができた。特に、IC橋の設計で、騒音・振動に対する懸念に対し、担当者とともに検討し、一つの橋が三つ又に分かれる特殊な橋梁を採用するなど、技術者として大きなやりがいを感じた」と振り返る。
若手職員には「発注者側の技術者には、技術力をベースとした調整力が不可欠。技術知識の深化とともに、現場経験を積むことが業務の基盤となる。そして得意とする分野を見つけ、専門性を高めることが、仕事を進める上で大きな強みとなる」と強調する。
建設業界に対しては「社会資本の整備や維持管理という仕事に加え、地域を守るという強い使命感を持って、災害や除雪などの対応に昼夜問わず尽力いただいている。一方で、担い手不足や高齢化といった課題も抱えており、技術革新や生産性向上への取り組みを通じて、持続可能な業界を目指していく必要がある。官民一体となり、魅力ある建設業の実現に向けて協力し、ともに未来を築いていきたい」と決意。
「少し前にGoogleのNotebookLMやDeepResearchを試用した際、その威力に驚いた。仕事や日常生活において、生成AIを活用しない手はないと感じており、何ができるか、いろいろと試している」と、日ごろから何事にも研究熱心な一面をのぞかせた。