群馬県建設業協会(青柳剛会長)は22日、前橋市内の群馬建設会館で2025年度定時総会を開いた。役員改選の年にあたり青柳会長が再選。行動指針として『地域でつくり まもり 育てる~ホワイト産業としての柔軟な働き方を目指して~』を打ち出した。本年度の行動指針のテーマには、会員の9割が抱える「人材不足」を掲げる。人の問題を基本に据え、国土強靱化をベースに地域力の強化を図っていくなど、地域力の充実を全面に押し出した幅広い活動を展開していく。
青柳会長は冒頭のあいさつで角田夏実選手を起用したポスターの第3弾として「育てる」を発表した。今回発表したポスターは「ぐんケンくん」を抱いて、人を地域で育てていくことを連想させるポスターとなっている。今回で3月末から取り組んできた角田選手のイメージと群馬県という地域性や強靱化を重ねた一連のポスターが完結した。
本年度の行動指針は、このストーリー性を持ったポスター3部作の内容を盛り込んだものとなる。青柳会長は「今回の行動指針は、会員の9割が人材不足を訴えていることを踏まえ、人の問題を基本にして地域力の充実を全面に出した『地域でつくり まもり 育てる』とした。加えて、サブタイトルに『ホワイト産業としての柔軟な働き方を目指して』を掲げ、国土強靱化をベースに地域力を強化していくメッセージとなっている」と述べた。また、協会活動を進めるに当たっては「小さなことからはじめて大きく広げていくといった考え方をベースに、変化についていきにくく、足の遅い人を組織の中心に据えながら組織を動かしていくという視点がポイント」と話した。
さらに設計労務単価の引き上げが民間の市場単価の上昇につながっていることに触れ、建設業のコストのメカニズムをしっかりと押さえて提言活動を行っていくことを明言した。
そして、人材確保の問題に対しては「避けて通れなくなってきた地域建設業における外国人材の活用、育成就労や技術者『技人国人材』の課題および実質的な事業量確保、時間外労働と生産性の問題について、会員にアンケート調査を行っている」ことを明かし、早期に発表する考えを示した。
総会後に開かれた記者会見では、災害対応組織力の強化に向けて衛星インターネットサービスであるスターリンクを配備する計画を明らかにした。また質問に答えるかたちで「2つの支部に配備することを考えている。全国建設業協会からの補助金を充て配備する」と話した。
総会には山本一太知事をはじめ、井下恭伸県議会議長など多数の来賓が臨席した。山本知事は「県土整備プラン2025に青柳会長が提唱している災害対応組織力の維持をコンセプトとして盛り込んだ。このコンセプトに基づいて、8つの新たな中心的事業を着手予定の事業に格上げした」とあいさつで述べた。
議事では25年度事業計画や収支予算などについて審議し、全議案を承認した。
改選による役員人事は次の通り。
【会長】
◇青柳剛(再任・沼田支部長)
【副会長】
◇篠原宗應(再任)
◇髙橋明(再任・太田支部長)
◇泉野髙志(再任・前橋支部長)
◇勝野政和(新任・渋川支部長)
◇五十嵐修(新任・富岡支部長)
【常任理事】
◇池原純(新任・吾妻支部長)
◇関口功(再任・高崎支部長)
◇大川弘志(再任・桐生支部長)
◇小曽根久八(再任・館林支部長)
◇小島克也(再任・伊勢崎支部長)
◇塚本毅(新任・新藤岡支部長)
◇萩原哲也(新任・新安中支部長)