総務省が設置する地方財政審議会は23日、地方創生2・0の推進と持続可能な地方行財政の確立のための『地方税財政改革についての意見』を取りまとめ、村上誠一郎総務相に提出した。インフラ維持管理、特に上下水道の老朽化対策については国庫補助金や地方財政措置の活用で着実に進めるよう提示している。
『意見』では地方財政の現状について、財源不足額は減少傾向で「地方財政の健全化は進みつつある」としながらも、経済の先行き不透明感が広がることにより「税収への影響が懸念される」と述べている。
重要な課題として位置付けられたインフラの適正管理については、埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえて「老朽化の課題に適切に対応していく必要がある」「公共施設の計画的な集約化・複合化や長寿命化対策を推進することにより、トータルコストを縮減し、財政負担を軽減・平準化していくことが重要」としている。
また上下水道についても「料金収入が減少するほか技術職員を含む人材の確保が困難」であることから、「適正な料金の設定、国庫補助金や地方財政措置の活用などにより、老朽化対策を着実に進めていくべきである」と示した。
防災・減災、国土強靱化については「事業に係る地方負担については『5か年加速化対策』に続き、適切な財政措置を講じる必要がある」とし、地方単独事業の緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債の活用実績が増加傾向にあるため、2026年度以降についても、防災・減災の取り組みや地域の実情、課題などを踏まえて「適切に検討すべきである」と述べている。