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群馬県建設企画課

CIM取り組み状況示す

2025/05/28 群馬建設新聞


県建設企画課は、CIMを活用した設計業務および工事の実施拡大に向け、2025年度に「ICT施工用3次元設計データ作成要領」の策定や「3次元設計データを活用した自動積算システム」の開発に着手する方針を示した。受託者側でも、群馬県測量設計業協会(田村義一会長)が専門の委員会を立ち上げ対応を進めるなど、官民で活用に向けた取り組みが進んでいる。


県県土整備部における委託業務および工事の実施においては、3次元点群測量に関する要領が整備されておらず、実施方法が定まっていなかったことや、ICT施工用の3次元設計データの作成要領がなく、ICT建機での施工に活用できていないことがCIMを活用する際の課題となっていた。課題の解消に向け、県では24年度に「3次元点群測量業務実施要領」を制定。発注者指定型による3次元点群測量業務委託について、24年度の3件から25年度は10件以上を目標に掲げるなど、3次元点群測量業務のさらなる拡大を図る考えを示す。なお、24年度に委託した3件は◇アマネックス(前橋市)◇冨永調査事務所(高崎市)◇高崎測量(高崎市)-が受託した。

設計業務で3次元設計データの円滑なICT建機等での活用に向け、25年度に「ICT施工用3次元設計データ作成要領」の策定を目指す。

「3次元設計データを活用した自動積算システム」については、国土交通省BIM/CIM推進委員会の資料によると、3次元モデルに設定した属性情報(工事工種体型ツリーコード、材料規格、数量など)を積算システムに取り込むことで半自動的に積算を行えるというもの。導入により、積算作業の効率化が期待される。25年度にシステム開発に着手し、26年度の稼働を目指す。

CIMの活用拡大に向けた取り組みについて、活用が可能と想定している項目に◇出来上がり全体イメージの確認(地元説明会での活用など)◇特定部の確認(2次元図面の確認補助、架空線との干渉等の確認など)◇視認性の確認(運転シミュレーションなど)◇重ね合わせによる確認(用地買収範囲の確認)◇概算工事費の算出◇施工監理での活用(出来形管理)-などを挙げる。将来的には◇ICT建機での活用◇設計照査◇維持管理での活用-を目指すとしている。

受託者側でも、対応に向けた取り組みが進んでいる。群馬県測量設計業協会では、22年度からDX技術委員会を立ち上げ、昨年度からは三次元点群データやCIMを活用した業務に対応するため委員会内に、会員各社の技術者で構成する三次元計測ワーキンググループとBIM/CIMワーキンググループを設置した。両ワーキンググループは学習や情報共有などを目的として開催しており、三次元点群測量やCIMについて、今後県から要求されるものに対応できるよう取り組んでいる。

ICT施工用3次元設計データ作成要領の策定に当たって、田口慎也DX技術委員長は「求められる成果品について、今後関係者との協議を重ねながら、実用的な成果品を納められるよう協会として努力していきたいと考えている」とコメントした。

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