西部地域は1999年度以来3度目の就任。「92年度に入庁し初めて配属された所属が富岡地区事業所であったため、思い出深い職場である」と当時を懐かしむ。
所管地域の印象は「中山間地域を多く抱えていることから農地整備率は49%と県内で最も低く、また基幹的農業水利施設の多くは老朽化が進んでいる」とし、「地域からは早期の対策が求められているため、現在着手している農地整備事業および農業水利施設の保全対策を着実に進めていきたい」と意気込む。さらに「管内には31カ所の防災重点ため池があり、そのうち地震や豪雨等に対する対策が必要なものが25カ所と多い。ため池の防災減災対策は、農業生産のみならず人命・財産を守るために重要なものであるため、関係者と協力して計画的に対策を講じていきたい」と語る。
こうした状況の中、藤岡市や富岡市において農地整備事業を計画的に事業化し整備を推進している。これらの地区では農地の大区画化のほか、スマート農業技術の導入を検討しており、従来の整備に比べ、より生産性の向上が図られる見込みだとして、「事業を契機に担い手への農地の集積および集約化を進めており、収益性向上と規模拡大により農業経営の安定を図ることで地域農業の持続的発展を目指していきたい」と話す。
老朽化した水利施設の保全対策については「急ピッチで調査計画を進めており、2026年度以降順次、整備に着手し農業用水の安定供給等を図りたい。防災重点ため池の対策についても、市町村との適切な役割分担の下、災害レジリエンス№1の目標達成に向け対策を進めていく」と意気込んでいる。
思い出深い事業には、初めて赴任した邑楽館林地域で、ほ場整備事業の立ち上げに携わったことをあげる。「関係者が多く調整が難しいため、地元役員や町と協議を重ね何度も計画図面を修正して、ようやく地区採択を申請できた。地域の農地を次世代に引き継ぐために、なんとしても事業化するという熱意を持つ関係者とともに取り組んだ思い出深い地区であった」と当時を振り返る。
建設業界へは「農家や関係機関との調整が多いほか、営農への影響を最小限とするため早期の完成を求められるなど制約の多い事業であるが、きめ細かな対応と優れた施工技術により工事を完成させていただいている。自然災害や突発事故への対応、さらには家畜防疫措置に関してもご尽力いただいており、心から感謝申し上げるとともに引き続きご協力をお願いしたい」と呼び掛ける。
体を動かすことが好きで、夏は登山、冬はスキーと一年を通して仲間とスポーツを楽しんでいる。また、夏休みを利用して出かける家族旅行も楽しみの一つだという。「最近は、奈良や広島の世界遺産を訪れた。今年は九州地方の世界遺産を巡りたい」と笑顔を見せた。