新湾岸道路有識者委員会の第2回が28日、九段第3合同庁舎15階会議室で行われた。新湾岸道路の概略ルート・構造の検討に当たり、複数案を比較評価するための評価指標となる「達成すべき目標に対する評価項目(案)」と「配慮すべきことに対する評価項目(案)」を設定。評価項目(案)を踏まえ▽高架構造を主体とする道路=概算事業費約1兆円▽地下構造を主体とする道路=同約2兆円▽現道対策および一部バイパス整備=同約0・5兆円――を挙げた。地下構造については陸上部が連続する区間を想定し、その他の区間については高架構造を見込む。
議事では、これまでに有識者委員会から寄せられた意見・指摘への対応状況や、コミュニケーション活動(情報発信、地域住民などの意見聴取、アンケート、オープンハウス、関係者ヒアリング)の実施概要を報告。
意見への対応案を整理したほか、これらを踏まえて達成すべき目標と道路計画の必要性を確認するとともに、複数案を比較評価するための評価指標を定めた。
評価指標に関する「達成すべき目標に対する評価項目(案)」は、幹線道路の渋滞緩和、交通事故の減少、事故発生時の迂回機能、救急医療施設などへの速達制の向上、災害発生時のリダンダンシー(代替性)、災害発生時の防災機能、物流拠点へのアクセス性向上、観光施設へのアクセス性向上、千葉港へのアクセス性向上、羽田・成田空港へのアクセス性向上、生活道路への流入交通の減少。
また「配慮すべきことに対する評価項目(案)」は、三番瀬や谷津干潟、渡り鳥の飛行経路、海辺の眺望景観、騒音・大気質など沿道環境、自然とのつながり、事業費としている。
有識者委員会は、委員長の屋井鉄雄・東京科学大学特命教授・名誉教授をはじめ、学識経験者などで構成。新湾岸道路の計画段階評価を見据え、構想段階において、概略ルート・構造に関する技術的・専門的検討を進めている。