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群馬県森林保全課

影澤圭太県森林保全課長就任インタビュー

2025/05/29 群馬建設新聞


森林保全課には2017~18年度の2年間、治山係長として勤務した。当時は九州北部豪雨や西日本豪雨などにより山地災害が多発し「流木対策や治山施設の長寿命化に関する基準の策定など、多忙な毎日で係員には無理をさせてしまった」と回顧する。継続して実施している流木対策や、長寿命化対策では「さまざまな課題も見えてきており、新たな段階に入っていると感じている」と述べ「職員と連携しながら、必要な対策を進めていきたい」と山地災害の防止に意欲を見せる。

国庫補助事業、県単独治山事業の予算について本年度も例年並みに確保しており「各事務所では防災・減災に資する工事を計画的に実施していく」という。

また、県内においては近年、大きな山地災害は発生していないが、線状降水帯などによる雨の降り方は予測が困難なため「広範囲にわたる未然の防災対策が必要」と話す。県が指定する山地災害危険地区のうち、治山事業未着手の箇所は約3割あり「早期の対策を進めていきたい」と意気込む。未着手となっている箇所は森林所有者の特定や重機搬入、仮設が困難などの理由もある。このため「地域住民や市町村、建設業者皆さまの協力を得ながら進めていきたい」と早期の事業着手へ意欲を見せる。

これまでに携わった思い出深い仕事に、新規採用時に初めて担当した治山工事を挙げる。当時は何も分からず「先輩方の指導を仰ぎながら、技術基準を読み解き、手書きで図面を作成した。現場では請負業者に教わりながら、当時、名称すら聞いたこともなかった『土留工』を設置する山腹工事を実施した。いまでは植栽したスギが育ち見事な森林になっている」と笑顔を見せる。

県内の森林土木担当者のうち、若手が占める割合は増加傾向にあり、現在担当期間が3年未満の職員は全体の約3割となっている。若手職員には「周囲の先輩を頼りながら、防災・減災という事業目的達成のため、頑張ってほしい」とエールを送る。

建設業界へは「治山工事の実施に当たっては、森林所有者や近隣住民への配慮が必要となり、安全対策や従事者の働き方改革など考えるべきことは多いが、われわれとともに『安全安心』を守っているという誇りをもって取り組んでいただきたい」と呼び掛ける。

趣味や休日の過ごし方をたずねると「ニホンミツバチの飼育に挑戦中」と話し「春に設置した待ち箱にハチが入るのを楽しみにしている。現在までに入る気配はないが、夏の分蜂に期待して毎日眺めている」と笑う。

課内の雰囲気づくりについて「誰もが意見を気軽に言える雰囲気が重要」と話し「各職員の個性を把握し、これを生かしながらよりよい職場環境を築いていきたい」と意欲を示す。

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