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【住生活基本計画】今後の住宅政策議論進む/11月に中間とりまとめ

2025/05/30 本社配信

 国土交通省は、住生活基本計画の見直しについて議論を進めている。見直しにあたっては、2050年に向けて必要な住宅政策について有識者会議で議論。有識者会議は11月にも中間とりまとめを行い、さらに議論を重ねて新たな基本計画を作成し、26年3月の閣議決定を目指している。

 29日に行われた有識者会議では、今後の見直しにおける議論の方向性について共有した。方向性としては、将来を見据えて▽高齢期の住生活を支える枠組み▽新築の質に関する基準の改定▽住宅の維持管理・評価の枠組み▽空き家が若者・子育て世帯に魅力ある選択肢となるための既成住宅地の再生▽災害危険性や生活利便性に留意した望ましい立地への居住誘導▽都市再生機構・住宅金融支援機構の新たな役割―などを議論することが示された。

 将来の目指す姿としては、民間賃貸住宅と公営住宅の双方が柱となって福祉行政と一体化して地域の住生活を支援すること、既存住宅が市場を通じて多世代で住み継がれる住宅循環システムの構築、住宅資産を活かした高齢期の住生活の維持・充実、利用価値を失った住宅が適切に除却され、利用価値が評価される流動性のある住宅市場の維持・発展、国が将来の方向性を主導、地方公共団体が住生活の姿や関係者の連携を示す役割を担う―などを確認した。

 なお、脱炭素やまちづくり、子育て支援、災害発生時の被災者の住宅確保など住まいに求められる性能が上がり、住宅を供給する建設技能者の担う役割は増加している。一方で大工など担い手不足の課題があり、住宅の安定的な供給や適切な維持管理が将来的に困難となる懸念も示された。

 有識者会議では入職者を増やす必要性を課題として共有。国内の新卒者や外国人労働者、女性の入職を増やすべき状況を確認した。

 見直しに関する今後のスケジュールは、7月末に中間とりまとめの素案、9月に案を作成する。11月に中間とりまとめとして提示。以降2回程度の議論で新たな住生活基本計画(全国計画)の案をまとめ、26年3月の閣議決定を目指している。

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