県峡南農務事務所は、小室地区小室ため池測量設計用地調査業務委託を予定している。委託業務は指名競争入札を執行して発注する見通し。発注時期は現段階で9月中までには行いたいとしている。今後予定する工事では堤体工を主に想定しており、今回進める測量設計業務をもとに、2026年度中の着手を予定する。
富士川町小室地内に既存する小室ため池は、地震などの自然災害が発生した際、堤体に係る基準を十分に満たしていない状態にあるという。そのため、早期の防災工事を行うための設計業務を25年度中に策定する。
同ため池は、増穂南小学校から西の方角に約2㎞強の場所に位置する。
ため池の現況としては堤高が5m、堤長42・5m、貯水量は1万6200立方m。築造されてから約70年以上が経過しており、経年による老朽化が著しい状態にあるという。
ため池から下流域の方向には家屋や田畑が位置する。自然災害の発生によりため池が決壊した際には、流れ出た水によって甚大な被害が発生する恐れがあるため、速やかな対策工事が急がれる。
現段階の計画として担当課によると、今後は堤体工を進めるほか、既存の堤体に沿って備わる斜樋や、底樋の改修なども必要とみている。
今回の測量設計業務では、既存するため池の状態の把握や適した工法の検討、防災工事に要する費用の具体化を図る。
委託業務の納期については約9カ月間を見込んでいる。成果品の納品は25年度中を目指す。
今後担当課では、25年度中にまとまる設計業務の成果品を精査した後、26年度からは複数年かけて堤体工事に移る見通し。