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千葉県総務部

DBやPFIも検討/構想・計画支援で企画提案/県庁舎など再整備

2025/06/03 日刊建設タイムズ

 県総務部は2日、県庁舎等再整備基本構想・基本計画策定支援業務委託の企画提案募集を開始した。県庁舎の一体的かつ効率的な再整備に向け、基本構想・基本計画を策定する。策定に当たっては、各棟の建て替えや改修などの整備方針について比較検討を行う。事業手法に関しては直接建設方式、デザインビルド(DB)方式、PFI方式などについて定性評価、VFM算定、事業期間などに基づき検討を実施。事業スケジュールは、仮設計画および仮移転などを考慮したローリング計画の検討を行う。委託期間は、契約締結の日から2027年3月19日までで、26年3月までに基本構想・基本計画の中間案を策定する。

 委託料の上限額は1億7220万5000円。年度別内訳は、25年度3423万2000円、26年度1億3797万3000円。

 業務内容は、業務計画書の作成、基本構想・基本計画の計画案の作成、基本構想・基本計画の中間案の作成、会議などの運営支援。

 基本構想・基本計画の計画案作成における検討項目は▽これまでの検討経緯▽県庁舎および周辺地域に関する概要▽課題および再整備の必要性▽再整備の基本理念▽整備方針▽面積規模の想定▽配置方針▽必要機能・性能▽構造計画▽意匠計画▽外構計画▽設備計画▽環境配慮計画▽必要面積の算定▽建物のボリューム、空間構成(平面計画、断面計画)▽庁舎および外構の配置計画▽概算事業費の試算▽事業手法・発注方式▽整備に当たり必要な諸手続きなどの整理▽事業スケジュール――など。

 会議体として、有識者検討会(仮)と庁内ワーキンググループを設置する。検討会は、25~26年度に6回程度、開催する予定。

 応募資格は、県の物品等入札参加業者適格者名簿(委託)に登載され、15年4月以降に国、都道府県、市町村の庁舎または民間事務所についてあり方検討、基本構想、基本計画、基本設計などの策定に関する業務を元請けとして受託・履行した実績を有し、一級建築士事務所の登録を受けていることなど。

 今後は、11日に質問を締め切り、16日までに回答をホームページに掲載。7月2日まで、企画提案書の提出を受け付けている。選考委員会については7月中の開催を予定している。

 県庁舎敷地は県有地で、面積2万1098・07㎡。千葉市中央区市場町1―1ほかに位置している。

 県庁舎敷地内にある本庁舎、中庁舎、南庁舎、南庁舎別館、議会棟は、今後10年から20年の間に建て替え・大規模改修の時期を迎える。また、防災拠点としての機能確保や執務スペースの不足などが課題となっている。

 23年度と24年度にかけて日建設計が担当した「県庁舎等再整備に係る調査検討業務」の結果を受け、中庁舎と南庁舎別館を建て替え、また本庁舎を大規模改修により整備する方針。南庁舎と議会棟については、建て替えまたは大規模改修を検討しており、基本構想段階で方向性を決定する。建て替えに当たっては、集約化も検討する。

 基本構想・基本計画策定後は、基本設計、実施設計、工事を順次、進めていく。

 本庁舎は、S+SRC造地下2階地上20階建て、延べ床面積3万3476・49㎡、1996年2月の建築。

 中庁舎は、SRC造地下1階地上10階建て、延べ床面積2万3532・01㎡、62年9月の建築。2000年2月に大規模改修工事を完了したが、老朽化が進行している。

 南庁舎は、SRC造地下1階地上10階建て、延べ床面積8525・88㎡、1981年12月の建築。2012年2月に大規模改修を終えた。

 南庁舎別館は、SRC造地下1階地上6階建て、延べ床面積7871・42㎡、1965年4月の建築。老朽化により執務室としての使用が困難であることから、倉庫として使用している。

 議会棟は、SRC造地下1階地上9階建て、延べ床面積1万279・81㎡、74年11月の建築。2011年5月に大規模改修を完了。23年2月28日の県議会予算委員会開催中に、天井材の一部が剥離・落下した。

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