姫川・関川総合水防演習が5月31日に糸魚川市で開催された。糸魚川市、新潟県、国土交通省北陸地方整備局、関川・姫川水防連絡会が主催し、弊紙も後援。水防技術の向上・伝承と防災機関の連携強化を図るとともに、住民や事業者など地域の力を結集して地域防災力を向上させるため「水防活動、救難救助、避難救護」を中心とした実践的な訓練を行うもの。水防月間の中核行事として毎年開催しており、建設業関係団体も参加した。
開会式で名誉総裁の国定勇人国土交通大臣政務官は、近年は全国各地で水害が発生し、上越地方の姫川・関川流域でも今から30年前に起きた1995年7月の「7・11水害」をはじめとして度重なる豪雨災害に見舞われているとしながら、国交省では流域治水を強力に推進していることを説明。「被害を最小限にとどめるため、河川整備などのハード対策に加え、車の両輪に例えられる水防活動はますます重要になっている。さらに水害で被災したライフラインの早期復旧には関係者の連携が不可欠であり、多くの関係者が一堂に会して行うこうした演習は大変意義深い」と述べ、水防技術の研さん・伝承をはじめ、防災体制の充実強化に一層取り組むことを要請した。
また全国水防管理団体連合会の脇雅史会長は「7・11水害」の復旧・復興には長い年月を要したことに触れ「このような水害を防止するためには水防活動による防災や減災に期待するところが非常に大きいものとなっている。水防の職責を担う水防管理団体としては出水時における水防活動が迅速かつ的確に実施できるよう日頃から十分な備えが必要」と話し、地域住民が安心するような演習に期待を寄せた。
当日は、5段階の警戒レベルに応じて参加機関が演習を実施。避難判断水位時に木流し工、シート張り工、月の輪工、積み土のう工を設置する演習から、堤防越水・氾濫時の応急復旧によるブロック投入工、ライフライン復旧に至るまで、施設では守りきれない大規模な水災害を想定したタイムラインに基づく実践さながらの訓練を行った。建設業関連団体では、糸魚川市建設業協会、糸魚川市管工事組合、新潟県電気工事工業組合上越支部、、新潟県測量設計業協会らが参加し、必要な支援に協力した。
【写真=国定政務官、建設業関係団体も演習に参加した】