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大川トンネル価格以外37.75点/NATM工法でL630m/総合評価委で工事59件、委託25件

2025/06/04 長野建設新聞

2025年度第3回県総合評価技術委員会が3日に開かれ、今後総合評価落札方式で発注する建設工事59件と委託業務25件の意見聴取が行われた。県北信建設事務所が技術提案型で発注する国道292号・飯山市大川トンネルの「令和7年度防災・安全交付金トンネル工事」は価格以外の評価点を37.75点に決めた。公告は7月上旬、参加形態は3者構成の特定JVとする。開札予定時期は10月下旬で、請負契約議案は26年2月議会で上程する。

価格以外の評価点は技術提案点が30点。企業評価は工事成績5、労働環境1、CCUS0.25。技術者評価は実績等1、若手技術者または女性技術者0.5。技術提案の配点は施工計画に関する項目が「材料の品質管理に係る技術的事項」が10点、「施工体制に関する取組事項」が5点。工事の特性に応じた課題に関する取り組みは「脆弱な地質や湧水への対策に難する具体的な提案」が15点。技術者実績等は主任(監理)技術者として、NATM工法によるトンネル工事の施工実績が3件以上で1点を加点する。

工事概要はトンネル工(NATM工法)L630m×W6.5(8)m。工期は約1100日間(債務負担行為設定済)。詳細設計はサンコーコンサルタント(東京都江東区)が担当した。工期は議会議決から約1100日間(債務負担行為設定済)。

JV構成員の資格総合点数要件は、代表構成員が土木一式1400点以上(信州企業評価点数を除く、以下同じ)、第2構成員が同1021点以上、第3構成員が848点以上。WTO案件で、地域要件は設けない。構成員の最小出資比率は20%以上とする。

技術提案型総合評価落札方式は、総合評価点100点のうち価格以外の評価点を30~50点の範囲で設定する。ちなみに木曽建が23年度、今回同様に技術提案型かつ3者JV施工で発注した一般県道上松南木曽線・大桑村~南木曽町読書ダム~戸場の1号トンネルは、価格以外点に37.25点、うち技術提案点に30点を配点した。


■坂城インター線橋梁詳細設計は12.25点

また、県千曲建設事務所が技術者実績等簡易型で発注する坂城インター線道路改築事業の橋梁詳細設計は、価格以外点を12.25点に設定。公告は6月下旬を予定。入札参加基本資格は建設コンサルタント(鋼構造およびコンクリート)、県内、本店または営業所、所属技術者3人以上。発注規模は税込予定価格3000万円以上。

業務概要は設計業務:橋梁詳細設計上部工6径間連続鋼箱桁橋L447m、下部工逆T式橋台N2基、張出式橋脚N5基、基礎工場所打ち杭基礎N2基、ケーソン基礎N5基。入札予定は7月中旬で、履行期間は約500日間(債務負担行為設定済)。

価格以外点の内訳は企業評価で業務成績6。技術者は管理技術者等評価が実績2、成績1、継続教育0.75、資格0.5。照査技術者等が実績1、継続教育0.5、資格0.5。同種業務実績について「鋼箱桁橋の橋梁詳細設計(橋長100m以上)業務(新設または拡幅)の担当実績」が管理技術者は5件以上で2点、2件以上で1点、照査技術者は5件以上で1点、2件以上で0.5点。技術者資格は技術士総合技術監理部門(建設―鋼構造およびコンクリート)に0.5点を加点する。

同種業務実績は、鋼箱桁橋の橋梁詳細設計(橋長100m以上)業務(新設または拡幅)の実績を求める。また、配置技術者要件は管理技術者として技術士建設部門(鋼構造およびコンクリート)の配置。照査技術者として技術士建設部門(鋼構造およびコンクリート)、認定技術管理者鋼構造およびコンクリート部門のいずれかの配置を求める。なお、管理技術者と照査技術者の兼務は不可とする。

業務名は「令和7年度社会資本整備総合交付金(道路)事業に伴う設計業務」(主)坂城インター線・坂城町中之条~網掛(2)。

同路線は上信越自動車道坂城ICと国道18号を結ぶ幹線道路で、第一次緊急輸送道路にも指定されている。現在、千曲川左岸では国道18号坂城更埴バイパスが工事着手しており、千曲川左岸からテクノさかき工業団地、しなの鉄道テクノ坂城駅、坂城ICなど千曲川右岸へのアクセス性の確保が課題となっている。このため、坂城更埴バイパス事業に合わせて当該箇所を整備し、新たな道路ネットワークを構築する。事業区間は23年度に供用予定の同路線中之条工区の終点から坂城更埴バイパス接続部までの約900mで、大半の部分が千曲川を渡河する橋梁となる。幅員は14mで、標準横断は車道6m(2車線)、自転車通行帯1.5m(両側)、歩道2.5m(両側)。

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