第16回北陸道路舗装会議が2日と3日の2日間にわたり、新潟市中央区のANAクラウンプラザホテル新潟で開催された。北陸地方における舗装技術の発展と積雪寒冷地の舗装技術研さんの場として1979年から3年ごとに開催しており、今年は全国各地から約730人が参加した。会議では、産学官の垣根を越えた、舗装技術に関する研究課題を題材にした報文発表のほか、記念講演、パネルディスカッション、ポスターセッションも行われた。今回は北陸で生まれた技術の知識を高めてもらうとともに、日本の将来を担う若手技術者としての意識高揚を図る場とするべく、新潟県内の土木系高校生33人を招待した。
開会に当たり海野正美実行委員長(日本道路建設業協会北陸支部長)は、同会議が時代とともに変化する道路舗装分野の課題に対し産学官連携による技術の探求や普及で大きな成果を上げてきたことを紹介。「本会議は、これまで積み重ねてきた知見や技術の共有を経て道路舗装のさらなる発展と新たな方向性を追求する場と考えている。先人が築いた歴史と精神を受け継ぎながら将来世代に研究成果を残し、伝承していくことが今を生きる私たちに課せられた使命」との考えを示した。
来賓の吉岡幹夫国土交通省事務次官は「今後、舗装事業は道路行政を支える柱となっていただかなければいけない大事な分野だと思っている。日本は積雪寒冷地に多くの人口を有している世界に類を見ない国。豪雪地帯、寒冷地帯では、舗装についてまだまだいろいろな課題に取り組む必要がある。この会議が時代を先取りした道路舗装技術の向上に大きく貢献するのではないか」と期待を寄せる祝辞を述べた。
初日には、北海道科学大学工学部都市環境学科の亀山修一教授が「舗装の技術革新は積雪寒冷地から」を演題に記念講演を行い、積雪寒冷地の舗装が直面している問題や取り組みを解説するとともに、舗装業界の魅力向上に必要な活動に関する考えを披露した。
2日目のパネルディスカッションでは、新潟工科大学前学長の大川秀雄氏がコーディネーターを務め、北陸地方整備局の竹林秀基道路部長、コマツカスタマーサポート東京関越カンパニー新潟事業部の亀山竜也氏、東亜道路工業技術研究所の深谷美優氏、道建協北陸支部の堀吉伸幹事長がパネリストとなって「道路舗装技術の未来に向けて」をテーマに、魅力ある北陸の地域づくりについて意見を交わした。
報文発表は、口頭発表が74題(うち討議セッション8題)、ポスターセッション発表は15題で行われた。また、参加者には「すぐに役立つ舗装技術」として道路舗装に関する最新の工法・材料・機械など全87編の内容を紹介する技術資料集が配布された。
【写真=海野委員長、吉岡事務次官、700人を超える参加者が集まった】