記事

事業者
茨城県高萩市

高萩市/広場や交流拠点を設置/駅周辺再整備に基本構想案

2025/06/05 日本工業経済新聞(茨城版)

 高萩市は、高萩駅周辺の拠点整備に必要な機能や役割、方向性を示した「駅周辺地区再整備基本構想案」をまとめた。駅周辺を5つのゾーンに設定し、駅前には市の新たな顔となる広場の整備や交流拠点となる施設の整備・誘致、歩行者空間の整備を盛り込んだ。駅前商店街のゾーンでは、点在する空き家・店舗などを活用し再構築を図る。さらに駅東西自由通路の配置を検討し、駅前広場のゾーニングもJR東日本など関係機関の意向を踏まえながら協議していく。

 再整備にあたっては、①高萩の玄関口「高萩の顔」としての再整備②多世代が集まり、交流できる「場」づくり③世代を超えて楽しめる商店街形成④空き家・空き店舗・空き地等の未利用資源を利活用した新たな魅力創出⑤公共用地や自然資源を生かした駅西口ポテンシャルの向上-を基本的方向に掲げ、駅周辺エリアを5つのゾーン、2つの軸に設定した。

 市の顔となるシンボル性と駅東西からのアクセス機能を有する駅前広場ゾーン「シンボルゲートゾーン」では、趣のある現駅舎を生かした駅前広場の整備を構想する。駅東西から駅舎へのアクセス機能の改善をはじめ、パークアンドライドや乗り換え、イベントにも対応した広場を想定する。

 駅前広場に隣接した「交流拠点ゾーン」は、日常的に利用する商業施設や公共施設を核とし、にぎわい・交流拠点となる施設の整備・誘致、快適な歩行者空間の整備などを取り入れた。

 駅前商店街を中心とした「旧街道ルネッサンス(再生)ゾーン」では、点在する空き家、空き店舗、空き地を積極的に利活用し、若者やファミリー層が楽しめる駅前商店街を再構築する。また通学や通勤、買い物の途中に、気軽に立ち寄れる交流スペースづくりも推進していく。

 駅北側で駅前広場や交流拠点ゾーンに接する「ウェルネスゾーン」では、子どもから学生、子育て世代、高齢者まで多世代が往来するゾーンの特性を生かした健康・福祉に関わる施設の配置を推進する。

 ゆとりある生活を促進する「スローライフゾーン」では、通勤や通学などの途中に立ち寄れるコミュニティスペースづくりや空き家・空き地の有効活用、住み方に応じた住宅の改修によるコミュニティの維持・向上、人口定着の促進を図る。

 2つの軸のうち、駅から東西の軸となる「にぎわい・交流軸」では、空き店舗の積極的な利活用による駅前商店街の再構築などを通じて、地区全体のにぎわいと交流を牽引する。

 南北軸の「歴史・文化景観軸」では、お屋敷通りやたつご通りと高萩八幡宮(花貫街道)をつなぐ、歴史を感じる街並み(景観軸)としての道路整備を計画。

 また共通して、舗装や照明灯、案内サインなど高萩らしさを感じられる景観づくり、安全性や夜間の防犯性に配慮した歩行者空間の整備、低速モビリティの走行に配慮した道路整備の推進を盛り込んでいる。

 駅前広場(オープンスペース)の整備にあたり、駅東西自由通路の配置、ゾーニング等を検討する。自由通路の必要幅員は、法定基準による3・5~4mを確保。施設の基準としてバリアフリーの観点から、東西に各1基ずつ車椅子対応のエレベーター設置が必要となる。

 交通広場にはバス4台、タクシー(乗降)各1台、タクシープール3台、自家用車乗降場10台、身障者用乗降場1台を設ける計画。

駅周辺地区を5ゾーン、2軸に設定

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら