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山梨県峡東建設事務所

御坂TN設計を推進 25年度事業概要

2025/06/06 山梨建設新聞

 県峡東建設事務所(内藤広所長)は2025年度の事業概要を明らかにした。道路事業では、注目される国道137号の新たな御坂トンネル建設に向け、各種調査・検討を進める。河川砂防事業では、平等川河川改修や中の入沢砂防建設といった継続事業を中心に進捗を図る。都市計画事業では、山梨市駅南線Ⅰ期の早期完成を目指し、整備工事を推進する。

 ■道路事業

 【国道137号(新たな御坂トンネル)】

 国道137号は、富士吉田市上吉田から笛吹市石和町下平井に至る幹線道路で、2大生活圏である甲府都市圏と富士北麓地域を結ぶ。

 現在の新御坂トンネルは竣工から50年以上経過しており老朽化が進む。同事業では、新ルートでの長大トンネル建設や道路改良を行い、信頼性の高い道路および災害時の避難路となる強靱な道路を整備する。25年度はこれまで実施しているトンネル設計、水文調査、地質調査に加え、トンネル残土の処分地について検討を進めていく。

 【国道411号一之瀬高橋Ⅱ期バイパス(甲州市塩山一之瀬高橋)、裂石道路拡幅(甲州市塩山上萩原)、勝沼拡幅(甲州市勝沼町山~等々力)】

 国道411号は東京都八王子市を起点とし、丹波山村、甲州市などを経由して甲府市に至る幹線道路。一之瀬高橋Ⅱ期バイパスは、延長2500m、幅員5・5m(全幅7・5m)。トンネルを2カ所、橋梁を2カ所に整備する。全体事業費は約105億円を見込んでいる。

 一之瀬高橋2号トンネル(仮称)は、全長656mのうち、これまでに420mの本体掘削が完了。25年度は続く236mの掘削工事とトンネル覆工工事の発注を予定している。また現在施工中の2号橋橋台工事の進捗をみながら、上部工の工事発注を計画している。

 裂石道路拡幅は、延長650m、幅員6・0m(全幅8・0m)。橋梁1カ所を整備する。全体事業費は約8億円。25年度は、道路改良工事および新桜橋(仮称)の橋台工事を発注する。

 勝沼拡幅は、延長2000m、幅員6・5m(全幅13・0m)の道路改良事業で、全体事業費は約46億円。25年度は北側未改良部分の電線共同溝工事および道路改良工事を発注し、進捗を図る。

 【道路施設の長寿命化、耐震化】

 施設ごとに策定した長寿命化計画や維持管理計画に基づき定期点検を行い、道路施設の更新・補修工事を進める。主な長寿命化事業は、鶏冠山大橋(山梨市三富川浦)、唐沢橋(笛吹市御坂町藤野木)。橋梁耐震化事業は西沢大橋(山梨市三富川浦)、根津橋(山梨市万力)、四ノ橋(笛吹市一宮町)、鵜飼橋(笛吹市石和町)を計画している。

 ■河川砂防事業

【平等川河川改修(笛吹市春日居町鎮目)】

 富士川水系平等川において、台風や豪雨などによる河川の氾濫を防止するため、笛吹市春日居町鎮目地内から上流700mの河道拡幅を進めている。24年度は、本木橋のA2橋台と右岸側護岸などを施工した。25年度は、引き続き本木橋のA1橋台、上部工製作・架設、左岸側護岸などの工事を実施する予定。

 【中の入沢砂防事業(甲州市塩山上小田原)】

 中の入沢では、土砂災害防止を目的とした砂防堰堤4基を計画しており、24年度までに2基が完成している。25年度は残る2基のうち1基の堰堤工事(コンクリート打設)を実施する予定。今後も残る砂防堰堤の早期完成に向け、事業を推進する。

 【若林急傾事業(山梨市三富下釜口)】

 若林地区は保全対象として人家や福祉施設の三富デイサービスセンターなどがあるため、土砂災害を防止するための擁壁整備などを進めている。24年度までに擁壁工230mが完成し、現在崩壊土砂防護柵工15mを施工中。25年度は、崩壊土砂防護柵工の残り約20mを実施する予定。

 その後は擁壁工の未施工10mと法面工約770㎡の早期完成に向け、事業を推進する。

 ■都市計画事業

 【山梨市駅南線Ⅰ期(山梨市上神内川ほか)】

 都市計画道路・山梨市駅南線の延長720mにおいて、幅員を17mに拡幅する事業で、2012年度に事業着手した。車や歩行者の安全性の向上、交通渋滞の解消、周辺地域の活性化など、さまざまな効果が期待されている。

 24年度に発注した直線部の工事は7月末に完成する予定。25年度は引き続き用地買収を進め、北側交差点部の道路改良工事(約170m)や電線共同溝工事(約90m)などを実施する予定となっている。

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