10日の6月定例県議会一般質問で、宮川太議員(自由民主党千葉県議会議員会)が県道下総橘停車場東城線バイパスと国道356号バイパスの建設事業の進捗などを質問した。答弁に立った四童子隆・県土整備部長は、県道下総橘停車場東城線バイパスについて「2026年度までの供用を目指して工事を進める」と説明。答弁を受けた宮川議員は「北ルート(下総橘停車場東城線バイパス)の完成が見えてきた中で、東庄地域の南部を東西に横断する南ルート(県道多古笹本線バイパス)についても整備を進めてほしい」と要望した。
下総橘停車場東城線バイパス建設事業では、現道が狭あいで屈曲していることから、安全で円滑な交通を確保するため、東庄町新宿から同町宮本までの2・6kmでバイパスを整備中。13年度までに東庄町谷津から宮本までの1・6km区間を供用した。
四童子部長は「残る1km区間(谷津~新宿)について道路改良工事などを進めているが、2月に工事を一時中止した上で受注業者(大真建設)に鳥インフルエンザの防疫作業に対応いただいた影響や、本線供用に必要な用地取得が完了したことを踏まえ、工事の工程を調整し、26年度までの供用を目指して工事を進める」との方針を示した。
多古笹本線バイパスは、東庄町八重穂から同町小南までの延長2・69kmの計画で、このうち起点側の0・4kmについて、現道の線形不良を踏まえて01年5月までに先行整備を行った。残る区間の整備に向けては、下総橘停車場東城線バイパスの供用後、周辺の交通状況を踏まえて検討を進めていく構え。
東関道ICに期待感/国道356号BP2路線
国道356号バイパスのうち、銚子バイパスは、銚子市大橋町から同市小船木町までの8・2kmで整備を進めている。このうち、未開通の銚子市長塚町から同市芦崎町までの3km区間について、盛り土などの道路改良工事を実施しており、完了した箇所から舗装工事に着手する予定。
また、24年度に新規事業化した東庄銚子バイパスにおいては、新宿~小船木町までの8・6kmのうち、優先して整備を進める銚子市桜井町から新宿までの4・4km区間(バイパス区間)を対象に、道路幅を決定するための予備設計に着手。
予備設計は「社会資本整備総合交付金委託(東庄銚子工区予備設計)」として、5月20日に総合評価方式一般競争入札を公告した。7月16日に開札する。委託期間は、26年3月25日まで、
両バイパスは、小見川東庄バイパスや香取小見川バイパスなどと一体となり、東関東自動車道などへのアクセス強化や現道の交通混雑の緩和に寄与するが、東関東自動車道に直接接続するインターチェンジは設置されていない。
宮川議員は「東関東自動車道へのアクセス強化が重要であり、事業中のバイパスと接続する新たなインターチェンジの設置が効果をもたらすのではないか」との見解を示した上で「実現に向けては、地元による計画の検討が必要不可欠。追加インターチェンジの相談があった際には、地元への適切な助言を要望する」とした。
各路線の幅員は▽下総橘停車場東城線バイパス=車道8m(2車線)、片側歩道2・5m▽銚子バイパス=車道12m(2車線)、片側歩道2・5m▽東庄銚子バイパスのうちバイパス区間=車道9m(2車線)、歩道無し(利根川堤防上部を歩行空間として活用)▽東庄銚子バイパスのうち現道拡幅区間=車道9m(2車線、現況7m)、片側歩道2・5m(現況利用)。