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栃木県高根沢町

神林秀治高根沢町長、給食センターの多機能型検討、候補地に東小跡地、3000食想定

2025/06/11 栃木建設新聞

 神林秀治高根沢町長は本紙のインタビューに答え、建て替えを計画する学校給食センターは児童生徒数の減少を見据え小中学校にとどめず、高齢者施設など高齢者や障害者にも配食する多機能型施設を想定。災害時には町民にも食事を届けられる防災拠点として機能するよう検討を進めていく考えを示した。建設候補地は東小学校跡地(太田715外)で、1日3000食を見込む。(2面にインタビュー)

 新学校給食センターは、2026年度の事業着手を目指し、25年度にも基本計画の改定準備を予定していた。高齢者施設と連携し小中学校施設以外にも納入先の拡大が可能か、25年度は先進地事例など調査期間に充てる考え。

 当初の計画では、23年7月から24年12月までに測量や基本・実施設計を実施し25年7月に着工。26年9月までに完了し、10月以降に供用開始。

 旧センターは26年10月から27年3月までに解体する予定だった。物価高騰による概算事業費の増額など経費の見直しが必要と判断。26年度の事業着手に変更した。

 基本計画では施設は敷地中央、北東側に38台分の駐車スペース(公用車1台、委託先車両2台、職員・調理員用30台、来客用5台程度)やバス乗降場、東側に機械置場や排水処理槽(埋設)、大型バス駐車スペースを設置予定。

 施設は1階約1650平方m、2階約350平方mを想定。1階に煮炊き調理室や炊飯室、コンテナ室、洗浄室、ボイラー室など。2階に食育展示コーナーや研修室などを配置する。基本計画策定はAIS総合設計が担当した。

 既存の学校給食センター(宝積寺1894―5)は02年3月竣工のS造2階建て延べ1449・91平方m(1階1154・71平方m、2階295・2平方m)。処理能力は1日4000食。小学校6校、中学校2校に提供している。

 既存施設は東日本大震災の影響が随所に見られるほか、部分的な補修や経年劣化による修繕工事が必要。特に夏場の空調設備が正常に稼働せず、調理員から調理室や洗浄室での作業に支障が多いと指摘を受けている。

 厨房機器は設置後20年が経過し部品の生産が中止されたものも多く故障すると修繕できない機器があり、給食業務に支障を来す可能性が高い。

 また、食物アレルギーへの対応が求められているものの、現状の施設環境では調理過程の分離が難しく対応できないといった課題を抱えている。

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