記事

事業者
内閣府

県全域が戦略特区に/戦略特区諮問会議で決定/内閣府

2025/06/12 日刊建設タイムズ

 内閣府は10日、第66回国家戦略特別区域諮問会議を首相官邸2階小ホールで開催し、千葉県全域への国家戦略特区の拡大を決定した。これまで、県内における国家戦略特区は、2014年5月1日指定の成田市と、16年1月29日指定の千葉市のみだった。県は国家戦略特区を活用し、「東京圏国家戦略特区として東京都や神奈川県と連携しつつ、成田市や千葉市をはじめとする県内市町村と一体となって千葉県全域で取り組むことで、東京圏の目標である『国際的ビジネス拠点の形成』と『イノベーションの促進を通じた国際競争力のある新事業の創出』に大きく貢献・取り組みの加速を目指す」構えだ。

 千葉県のポテンシャルなどとして、バランスの取れた産業構造に加え、幕張新都心、京葉臨海コンビナート、柏の葉、東京湾アクアライン着岸地域など国の産業構造を変え得るエリアがあることや、成田国際空港の機能強化、首都圏中央連絡自動車道の全線開通などにより東京都・神奈川県と一体となったネットワーク機能の向上が見込まれることなどを挙げた。

 目指す姿の実現に向けた規制・制度改革事項などは▽公募設置管理制度(Park―PFI)における公募設置等計画の事業期間の明確化(20年以上の事業期間を前提とした公募手続きができることを明確化)▽民間事業者からの都市計画の決定などの提案(認定区域内の都市計画法の緩和)▽市町村施行土地区画整理事業の事業計画決定における意見書の処理(市町村の都市計画審議会への付議を可能とすることによる意見書の処理期間の短縮)――ほか(一部措置済み)。

 県からの提案に対しては「成田空港を中心とした物流・移動の拠点機能強化を契機として、東京圏の国家戦略特区の社会的経済的効果をさらに高めることにつながる重要な取り組み」や「成田空港の機能強化を契機として、国際的なビジネス拠点の形成や国際競争力のある新事業創出を進めようという、県や関係自治体の意欲・熱意が非常に伝わる」などと評価。今後は「県において、県内の市町村や事業者などと連携し、規制・制度改革の提案や取り組みを継続的に進めることが重要」などと意見した。

 国家戦略特別区域の拡大の決定を受け、熊谷俊人知事は「今後も日本最大の貿易港である成田空港や、幕張新都心、京葉臨海コンビナート、柏の葉など全国有数の産業拠点を有する優位性を最大限活用し、千葉県への民間投資を呼び込むとともに、首都圏全体の国際競争力を高めるため、アジアを中心とする経済成長を取り込みながら世界をリードする産業拠点形成に取り組んでいく」とコメントした。

千葉県が国家戦略特区を活用して目指す姿の概要

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら