県建設業協会(木下修会長)は12日、会員企業等を対象とした新入社員研修を松本市の松筑建設会館で開催した。入社2年以内の社員111人が参加し、社会人のマナーや、建設産業で働く者としての所作を学んだ。深澤信治副会長は若手技術者たちへ「10年後、20年後に、会社や業界を引っ張っていく人材になってほしい」と想いを伝えた。
この研修は新入社員が定着し、次世代の担い手として育つことを支援する目的で毎年行っており、今年で14回目を迎える。
開講式で深澤副会長は「県建設業協会は県内506社の建設会社で組織された団体。皆さんが入社された会社は、会員企業としてさまざまな建設物を造るかたわら、協会活動として施工技術の向上のための研修会や経営改善の取り組み、国や県への提言、あるいは地域におけるボランティアなどを行っている。能登半島地震の際には被災地へ物資支援なども実施した」と紹介。
そして「建設業界は今、人材不足、特に将来の担い手となる若い技術者が大変不足している。そんな中、皆さんは縁あってそれぞれの会社に入社された。10年後、20年後に会社や業界を引っ張っていけるような素晴らしい人材になってほしい」と期待を込め、「この研修会はそのきっかけ作りとして企画したもの。社会人として、さらには建設業のプロとしての心構えを身に付けてほしい。会社に戻り、周りの人たちに『研修に行かせて良かった』と感じてもらえるよう、意義のある研修にしてほしい」とエールを送った。
また、研修に協力する全国建設産業教育訓練協会富士教育訓練センターの加賀美武専務理事は「建設業の仕事は1社ではできない。下請けや協力会社の方々が現場に集まり、多くの人たちの手で一つの構造物を造り上げる。そうした意味でコミュニケーション力がとても必要。研修ではこの力を皆さんに学んでほしい」とあいさつした。
研修では12、13日の2日間、社会人としての基本動作に始まり、ビジネスマナー、コミュニケーション能力を高めるためのグループ演習などが行われる。