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山梨県峡南建設事務所

中之倉バイパス 2工区で橋梁詳細設計/2025年度の主要事業

2025/06/14 山梨建設新聞

 県峡南建設事務所(吉野一郎所長)は、2025年度の主要事業をまとめた。道路事業では国道300号・中之倉バイパスの2工区で橋梁詳細設計と用地測量を進め、市川三郷富士川線・富士橋では引き続き旧橋の撤去工事を行う。河川砂防、急傾斜地など事業の芦川河川整備では橋梁前後の取付道路と仮設歩道橋の撤去を進め、大津賀沢砂防事業では2基目の堰堤の用地交渉を行う。都市公園事業の富士川クラフトパークでは、焔硝倉橋耐荷補強工事の2期工事などを予定する。街路事業の大門桃林線は起業地の用地調査業務を進める。

■道路事業

【国道300号・中之倉バイパス】

 峡南地域と富士北麓地域を結ぶ観光アクセス道路であり、緊急輸送道路にも指定されている重要路線。身延町中之倉地内はヘアピンカーブが続き、大型車にとって通行の難所であるとともに、中部横断道にも接続していることから早期の整備が求められている。

 10年度に事業化。全体計画は延長約5000m、幅7m。全体を3工区に分けて整備する計画で、このうち1工区延長約1800mの供用を22年12月に開始した。

 25年度は、2工区約1200m内に位置する橋梁詳細設計と用地測量を進め、用地取得に着手する予定。

【市川三郷富士川線・富士橋】

 市川三郷町と富士川町を結ぶ主要道路であり、緊急輸送道路に指定されている幹線道路。富士橋は老朽化や耐震性、幅員狭小、富士川の洪水時の水位が路面とほぼ同じ高さであることなどから、早期の架け替えが求められている。

 16年度から事業化し、23年8月から新橋の供用を開始し、9月には旧橋の撤去工事に着手した。

 25年度は、引き続き旧橋の撤去工事を行う予定。

■河川砂防、急傾斜地など事業

【芦川河川整備】

 笛吹市芦川を起点とし市川三郷町などを経由して笛吹川に合流する延長23・6㎞の一級河川。11年9月の台風15号の際は、身延線JR橋下流右岸が被災し、近隣地区に避難勧告が出された。住宅が連担していることから、破堤した場合は甚大な被害を受けることが予想されため、河道改修を事業化し洪水時の氾濫防止を図る。

 整備区間は、笛吹川合流部からJR身延線付近までの延長約1300m。河道拡幅のほか芦川橋の改修などを行う。

 18年度から下流より本格的に河道拡幅工事を実施。21年度から芦川橋架け替えに着手している。架け替えは現橋位置で計画しており、上流側から着手し、下流側の順で新橋の施工を半分ずつ進めている。24年度までに発注した旧橋の撤去と新橋の上下部工が8月までに完成予定。25年度は、引き続き橋梁前後の取付道路と仮設歩道橋の撤去工事を実施する。

【大津賀沢砂防事業】

 身延町上田原地内に位置する土石流危険渓流で進める。渓流には、渓岸浸食・崩壊進行による不安定土砂が堆積しており、土石流対策のため砂防堰堤を3基計画している。

 24年度までに、1基目の堰堤(高さ11・5m、堤長60mの不透過型堰堤)が完成した。

 25年度は、2基目の堰堤(高さ6・5m、堤長22mの不透過型堰堤)の用地交渉を進め、用地が取得でき次第工事を発注する予定。

【横道急傾斜地対策】

 身延町下部地内での平均斜面高さ32m、平均勾配38度の急傾斜地において、要配慮者施設である、しもべ病院のほか、指定避難所をはじめ民家、県道、町道を保全するために防護柵工と法面工により対策工事を実施中。事業期間は12~32年度の予定。25年度は、引き続き対策工事を実施する。

■都市公園事業

【富士川クラフトパーク】

 本公園は防災活動拠点となっており、22年度からアクセス機能強化を目的として公園入口にある焔硝倉橋の耐荷補強工事に着手しているところ。

 25年度は、引き続き焔硝倉橋耐荷補強工事の2期工事、防災機能拡充のための非常用発電設備設置工事、カヌー場などの公園施設の改修工事を実施する予定。

■街路事業

【(都)大門桃林線】

 本路線は市川三郷町と甲府都市圏域を結ぶ重要な幹線道路であり、通勤・通学時の利用者が多い路線だが、幅員が狭く歩道も未整備で歩行者や自転車での通行が危険な状況のため、その解消が求められている。

 本事業では三郡東橋東交差点から郡農協前交差点までの約700m区間の道路改良(現道拡幅)と電線共同溝の整備を予定している。

 25年度は、引き続き起業地の用地調査業務を進め、用地取得に着手する予定。


【写真=吉野一郎所長、市川三郷富士川線・富士橋、芦川河川整備、大津賀沢砂防事業、富士川クラフトパーク】

吉野一郎所長 市川三郷富士川線・富士橋 芦川河川整備 大津賀沢砂防事業 富士川クラフトパーク

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