県河内農業振興事務所は、農村地域防災減災事業の赤沢川(上三川町下蒲生、五分一)で工事に着手する。湛水被害を防ぐため、田川合流部の排水樋管を下流に移し、約700mの導水路を築造する計画。新設する排水樋管本体工事とゲート設備工事を8~9月に発注する方針。排水樋管は11月ごろ着工し、2026年5月の完了を目指す。25年度事業費は約1億5400万円(24年度補正予算含む)。事業期間は24~27年度。総事業費約7億7420万円を見込んでいる。
排水樋管は内空幅5m、高さ2・3mの現場打ちボックスカルバート。延長は約12m。堤防を開削して設置する計画。発注は条件付き一般競争入札になる見通し。
樋管には田川の水位が上昇した際に逆流を防ぐ電動式の鋼製ローラーゲート1門を設置。ゲート設備工は排水樋管工事と同時期に発注する予定。現在、樋管工事に向け河川管理者の宇都宮土木事務所と協議を進めている。
赤沢川は町を貫流する普通河川。石田や上蒲生地区などを流れ、農業用用水路・排水路としての機能を担っている。受益面積は436ha。
事業箇所は最下流の田川左岸合流部。付近では田川が増水した際、農地の冠水や近隣住宅の床下浸水が10年間に3回発生。農作物や農地、農業用施設に被害が発生している。
県は洪水による被害の未然防止と安定した農業経営を確保するため、22年度に改善に向けた調査に着手。樋管の位置を五千石堰がある下流側に移すことで田川との高低差をより大きくし、排水能力を向上させる。
田川合流部付近の現況は下幅約2m、上幅約4mのブロック積み水路。新たな排水樋管までの導水路は田川堤防に沿ったルート。標準断面は幅5m、高さ2・3mの3面張りL型水路を計画している。
工事は下流から進めていく方針。田川に蒲生橋が架かる町道1-11号線との交差部には現場打ちボックスカルバートを施工。断面は幅5m、高さ2・3m。延長は約16mを予定している。
実施設計は宇都宮測量、土質調査は芙蓉地質が担当した。