土木学会は13日、2025年度定時総会を都内のホテルメトロポリタンエドモンドで開催した。佐々木葉会長が退任し、第113代会長に池内幸司河川情報センター理事長・東京大学名誉教授が就任する。池内会長は、会長プロジェクトとして「カーボンニュートラルでレジリエントな社会づくりプロジェクト」を挙げ、就任の抱負を語った。
池内会長は「少子高齢化・人口減少、インフラの老朽化、気候変動に伴う災害の頻発化など複数の構造的課題が同時に進行する時代に入っている。これらの課題を乗り越えることによって、日本は課題可決先進国として、世界に先駆けて持続可能な社会像を提示できる」と述べた。
今後の活動について「気候変動の緩和策にも取り組んでいきたい。まちづくりや交通、水管理、インフラ整備などの分野において、各主体による取り組みが進められているが、現状それぞれの取り組みが個別に展開され、全体像を体系的に把握することが難しい状況にある」と方策とともに現状の課題を指摘する。
その上で「こうした取り組みの構造を俯瞰し体系的に整理するとともに、緩和策をより効果的に進めていくために、障壁となっている事柄を明らかにする。そして、その克服に向けた方策ついても、学会として積極的に議論し発信していくことを目指す」と語った。
退任する佐々木前会長は「土木学会は会員一人一人がこうなったらいいな、こんなことをやりたいな、を可能にするインフラです。こらからも土木学会が、インフラの未来をひらく人たちが自由に集うインフラであるために歩んでいきましょう」とあいさつした。
次期会長には、小澤一雅政策研究大学院大学教授が内定している。