記事

事業者
千葉県議会

51号横断橋上部に着工/県土整備常任委を開催/県議会

2025/06/18 日刊建設タイムズ

 6月定例県議会の県土整備常任委員会が17日、県庁議会棟4階第8委員会室で行われた。付託案件は、補正予算4件、契約の締結2件で、いずれも可決すべきものと決定した。山本義一議員(自由民主党千葉県議会議員会)は北千葉道路に関し、一般会計補正予算案第1号における事業内容を質問した。齊藤博美・道路整備課長は「北千葉道路の成田市押畑から大山までの区間については、橋梁工事や道路改良工事などを進めている」と話した上で「補正予算案には、2025年度に着手する予定の(仮称)国道51号横断橋の上部工に要する費用などを計上している」と説明した。

 国道51号横断橋は、成田市山之作で建設を計画している橋長56・3m、1径間、幅員17・93m、4車線の道路橋。上部工は鋼単純合成細幅箱桁橋。下部工は逆T式橋台。基礎はA1が直接基礎、A2が杭基礎(中掘PHC)。

 実施設計はエースが手掛けた。A1は京葉興業により完成した。A2は萩原土建の施工で26年8月26日の完成予定となっている。上部工については、年度内に一般競争入札で発注し、27年度の完成を予定している。

 上部工の工事費は、一般会計補正予算案第1号で措置している国道道路改築事業費8億2000万円および、限度額18億6000万円の債務負担行為の各一部。

 特別会計流域下水道事業会計補正予算案第1号では、江戸川流域下水道事業建設改良費34億4920万5000円(うち、江戸川第一終末処理場整備事業建設改良費約19億円)を盛り込んでいるほか、江戸川流域下水道事業建設費76億6100万円の債務負担行為を設定。

 住田厚志・下水道課長は、補正予算案のうち、江戸川第一終末処理場に関する事業費として「主に、処理水を流す水路や水処理第2系列の機械・電気設備など、水処理第2系列の27年度の供用開始に必要となる整備費を計上している」と説明するとともに「江戸川第一終末処理場の建設に当たっては、流入水量を勘案しつつ、計画に沿って段階的に整備を進めていく」との方針を示した。

 そのほかの補正予算案は、特別会計港湾整備事業第1号と、特別会計土地区画整理事業第1号だった。

 

JRの「言い値」/阿井氏が改善要請★

 

 契約の締結は、東日本旅客鉄道(JR東日本)千葉支社を相手方とする契約金額10億6444万8000円の「一般国道464号北千葉道路と東日本旅客鉄道成田線との交差部における跨線橋の工事等の施行に関する委託(上部工)」と、京成電鉄を相手方とする契約金額5億2855万円の「習志野都市計画道路3・3・1号東習志野実籾線と京成本線(実籾第4号踏切道付近)との立体交差工事の施行に関する委託」。工期はいずれも26年3月31日まで。

 JR東日本との委託契約について、阿井伸也議員(自由民主党千葉県議会議員会)は、詳細な見積もりの確認状況を質問。齊藤課長は「工種ごとの工事内容について説明を受けるとともに、過去に同様の施工方法で行われた事例との比較も行い、工事費の妥当性などを確認している」と応じた。

 答弁を受けた阿井議員は「一般的な工事の場合は、競争原理が働く一般競争入札で発注している」との認識を示した上で、「いつも思うが、JRだけ特別で、簡単に言えば『言い値』での契約になっている」と指摘。

 続けて「JRと話をして、正当な金額で委託しなければならない。千葉県だけでなく、全国の自治体で同様の問題を抱えていることから、全国知事会、全国の自治体がJRに対して改善を求めていってほしい」と要請。三沢智議員(自由民主党千葉県議会議員会)と丸山慎一議員(日本共産党千葉県議会議員団)も同調した。

 また、丸山議員は「北千葉道路の必要性に疑問を持っている」と前置きした上で、「首都圏と成田空港を直結させる道路は、造るとしても国策として国が全額を出すべき。国施行区間についても直轄事業負担金が取られ、県施行区間まで設定されて、相当、県民の税金を出すこととなっている。そういうことがあってはならない」と語気を強めた。


橋梁架替施工検討/長谷バイパス整備

 

 宇野裕議員(自由民主党千葉県議会議員会)は、県道飯岡片貝線長谷バイパスの整備や、東総広域農道の県道への昇格などについて質問。

 飯岡片貝線について、齊藤課長は「匝瑳市吉崎地先から匝瑳市野手地先までの約1・8kmの区間においてバイパス整備を進めている。これまでの用地取得率は約5割となっており、まとまった用地が確保できた約0・4km区間の道路改良工事を完了している。終点側の匝瑳市長谷地区において引き続き用地取得を進めるとともに、25年度は用地が確保できた箇所の道路改良工事および架け替えが必要となる吉長橋の施工計画の検討を実施することとしている」と説明。

 東総広域農道に関しては、岩井克彦・道路環境課長が「24年度、県道銚子海上線清滝バイパスの開通後における交通状況の調査を実施し、東総広域農道が県道多古笹本線と比べて交通量が多いことなどを確認した。引き続き、東総広域農道を県道として管理する場合の道路構造など課題の検討を進め、県道と市道および町道との相互移管について関係市町との協議を進めていく」と紹介した。

 四童子隆・県土整備部長は諸般の報告として、計画の具体化を図っている新湾岸道路、首都圏空港道路ネットワークの充実・強化に向けた首都圏空港道路ネットワーク検討分科会、木更津港湾計画の改訂、「宅地造成及び特定盛土等規制法」に基づく規制開始、7日に松戸市で開かれた「第36回全国『みどりの愛護』のつどい」を取り上げた。

全案件を可決すべきものと決定した JR成田線跨線橋の位平面図

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら