国土交通省は、都市におけるイノベーション創発のあり方について、有識者会議を設置して検討を開始した。同会議では産学官連携の方策や市街地形成、国・自治体の支援などについて、議論を進めていく。2025年度末には中間とりまとめを作成する。
17日に行われた有識者会議の初会合では、まちづくりにおいて目指すべきイノベーションのあり方について議論したほか、国内外の事例を確認した。
また国内デベロッパーによる独自のイノベーション創発・まちづくりの事例も紹介された。例としては、住友不動産によるテナントネットワークを活かした2000人参加のビジネスマッチングイベント、東京建物による特定エリアにおけるコミュニティサポート、三菱地所による産官学連携のプラットフォーム整備などがある。
同会議では今後の議題として▽距離(人々の近接)とイノベーションの関係性▽産業振興▽産学官医の連携方策とアメニティを含む市街地のあり方▽現場ニーズを踏まえた国・自治体の支援策▽データを活用した分析・認証手法―などを掲げている。最終的にはイノベーション創発に関するガイダンス、支援および認証制度の構築を予定している。
次回9月の会合では、国内外の事例や各府省の取り組みを確認する。12月の会合ではデータ計測・評価のあり方を議論。25年3月には中間とりまとめに向けた議論を行う。
都市におけるイノベーション創発については、6月13日に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太方針)でも、都市機能集積と『稼ぐ力』の創出、地域資源を活かしたまちづくりの促進が掲げられた。同様の方針は、同日に閣議決定した地方創生2・0基本構想でも示されている。