記事

事業者
千葉県印西市

地区計画改定を検討/DC整備で新たなルール/印西市

2025/06/20 日刊建設タイムズ

 印西市は18日、駅周辺などのまちづくりに関する市独自の新たなルールづくりについてオンライン説明会を実施した。データセンターの整備に関しては、新たなゾーニングとルールが必要とした。考えられる選択肢に関しては、用途の制限などによる強制力があり、最も即効性が高い「地区計画の改定」が最も望ましいとした。今後は、駅周辺地域や生活圏の中心にある地域の地権者と地区計画変更の合意に向けて対話を進める。


 市域は、地震や水害などの災害リスクが低い北総台地に位置していること、大規模な施設の建設に必要な土地面積の確保が容易であること、首都圏からのアクセス性が高いことなどから、データセンターの集積地としての需要が見込まれている。

 一方で、駅周辺や生活圏に隣接したエリアにおいては、データセンターなどの施設の建設や開発行為が行われる事例に対して「より市民目線でまちづくりを進めてほしい」との意見が多く寄せられている。

 民間事業者が都市計画法や開発事業指導要綱などの諸法令にのっとって民間所有地で施設の建設や開発行為を行う場合、現行のルールでは対応が限られていることから、市独自の新たなルールを制定することで、市民目線のまちづくりの推進を図ることとした。

 藤代健吾市長は「市は転換期を迎えている」と述べ、「データセンターや物流拠点を中心とした産業の誘致が進み、千葉ニュータウンを中心に人口も増加した。一方で、その弊害や課題も生じている。次の100年に向けて、新しいまちのゾーニングとビジョンの基となるルールを作成するタイミングにある」との考えを示した。

 新たなルール作りに当たり、考えられる選択肢として▽法令の改正(建築基準法)▽用途地域の見直し▽開発指導要綱の改定▽まちづくり条例の制定▽地区計画の改定――を提示。

 法令の改正には一定の時間を要すること、用途地域の見直しは既存施設の立地に課題が生じること、開発指導要綱は行政の指導にとどまることを問題点として挙げた。

 まちづくり条例の制定については、住民との対話手続きがあるため、一定程度の住民意見が反映できるとした上で、関係法令・都市計画・地区計画などを超えた対応を求めることには限界があるとした。

 新たなルール作りに当たっては、企画立案段階から市民意見を反映させるため、4月18日から市民参加条例に基づき、ちば電子サービスで意見の募集を開始。17日時点で172件の意見が寄せられ、そのうち90・5%が駅周辺などでのデータセンター整備に否定的な意見だった。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら