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群馬県藤岡土木事務所

県藤岡土木事務所は2025年度の事業概要

2025/06/24 群馬建設新聞


県藤岡土木事務所(高柳政和所長)は、2025年度の主要事業を示した。藤岡市下日野地内の県道上日野藤岡線黒石工区バイパス整備について、(仮称)黒石2号橋の上部工に着手する。8月ごろの条件付き一般競争入札での公告を予定している。このほか、上野村乙父地先での森戸沢堰堤整備工事や藤岡市保美濃山地内の地すべり対策保美濃山地区などの事業を進めていく。

黒石工区は沿線に地滑り指定された急崖斜面が連続しており、気象災害発生時に交通が寸断され、上日野地区などの集落を孤立させる懸念がある。このため、現道の南側をショートカットする形でバイパスルートを新設する。全体の計画延長は624・2m、全幅7mの2車線道路で整備。バイパスは一級河川鮎川を2か所で横過し、東側に黒石2号橋、西側には(仮称)黒石1号橋を新設する。

25年度に工事を発注する黒石2号橋は橋長53・0m、幅員8・2mの鋼単純合成細幅箱桁橋。A1橋台、A2橋台は23年度に発注しており、A1、A2ともに塚本建設(藤岡市)が施工した。詳細設計は中央コンサルタンツ(愛知県名古屋市)が手掛けた。今年度の工事内容は黒石2号橋の上部工製作架設(鋼重約135・3t)となる。

また、黒石1号橋は橋長55m、幅員9・2mの鋼単純箱桁橋。本年度にA1、A2橋台工事がそれぞれ発注されており、36年3月の完成を目指している。

このほかの事業概要は次の通り。

【森戸沢堰堤整備工事】

神流川支川の森戸沢は、上野村乙父地先の砂防指定地で、地域防災計画に位置付けがある避難所(乙父公会堂)、公共施設(消防第6分団)、人家27戸、上野村道を保全する目的で砂防事業を実施する。事業計画は、砂防堰堤1基、導流堰1基、取付水路延長約50mなど。

堰堤は堤長29m、堤高6・5mで、約380立方mのコンクリートを使用する。形式は透過型で、水通し部には土石流の巨礫や立木を補足する鋼製の透過柵(スリット)を設置する。三陽技術コンサルタント(前橋市)が設計を手掛けた。本年度の工事内容は、鋼製透過柵を含む透過型堰堤本体に着手、6月ごろ条件付き一般競争入札による発注を予定している。

【地すべり対策保美濃山地区】

藤岡市保美濃山地内の地すべり区域で、人家約20戸のほか、緊急輸送路に指定されている国道462号を保全する目的で、対策工を実施し、11年度に概成した。その後、令和元年東日本台風による豪雨の影響で、地すべりの変状が再度確認されたため、22年度から地すべり対策事業を再開した。地すべりは3ブロックあり、11年度の概成までにすべてのブロックで対策工を実施済み。本年度は地すべりによる変状が再確認されたブロックにおいて、既設集水井の横ボーリングの上段に、横ボーリング1段を追加する工事を予定している。6月ごろに条件付き一般競争入札による発注を見込む。設計は日本サーベイ(藤岡市)が手掛けた。来年度以降は、継続的に観測している地すべりの変動調査の結果を分析し、対策工の追加要否を判断する。

【急傾斜 大栃地区】

藤岡市坂原地内で実施している急傾斜対策で、19年度に着手した。地域防災計画に位置づけがある避難所(坂原コミュニティーセンター)、人家3戸、緊急輸送路に指定されている国道462号を保全する目的で、急傾斜地対策を実施する。全体計画は、崩壊土砂防護柵工延長約153m、吹付法枠工約896㎡、付替道路延長約22mで、設計は総合技術(藤岡市)が手掛けた。本年度の工事内容は、杭式防護柵工延長約41m、付替道路工延長約22mを計画しており、6月ごろ条件付き一般競争入札による発注を予定している。

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