県上都賀農業振興事務所は、県営農業農村整備事業を8地区(計画調査含む)で推進する。2025年度事業費は24年度補正予算と合わせて8億4295万円。薄井沢(日光市)は圃整工3件、水路工1件を予定し、条件付き一般競争入札を7月上旬をめどに公告。暗渠排水工1件を早ければ8月下旬に指名通知する。千渡(鹿沼市)は圃整工4件程度を7月中~下旬に公告する方針。新規は水利施設保全高度化の日光1。大谷川の豊岡五ヶ村用水で機能診断・保全計画策定を実施する。計画調査は農地整備に向けた玉田、西茂呂(鹿沼市)、轟、荊沢(日光市)の4地区。
薄井沢は事業費4億4100万円。圃整工は区域中央部北側の3件で合計面積約9㌶。水路工は南側上流の幹線水路約900㍍を整備。暗渠排水工は上流沢沿いの農地を予定している。
千渡は事業費3億4095万円。24年度に東北自動車道を挟んだ最下流部で圃整工に着手。下流から工事を進めていく方針で25年度の圃整工は約14㌶。県道宇都宮鹿沼線の上流まで工事を実施する予定。
千渡地区に隣接する武子川は県土整備部が河川改修を実施。樋管や檜堰、山下堰、天神堰、五斗蒔堰、白桑田堰、田中堰、栗木内堰の改築が検討されている。
笹原田(鹿沼市)は3000万円。補完工事1件を8月下旬~9月上旬に発注。25年度に最終工事を終え26年度に換地業務に移行。事業を完了させる。
日光1の豊岡五ヶ村用水は取水樋門の機能診断・保全計画策定を実施。樋門は大谷川左岸にあり、コンクリートの躯体に鋼製ゲート2門を備える。
受益面積は207㌶。食料安定供給の基盤の役割に加え、洪水防止など公益的機能を担う重要施設。劣化状況を調査し、機能保全に必要な対策を定めた計画を策定する。7月に業務委託者を選定し、25年度末までに業務を完了させる。事業費は700万円。
計画調査地区の玉田は東武日光線北鹿沼駅の北側と東側で受益面積約42㌶。西茂呂は花木センター付近から東北自動車道までの南北に細長い約12㌶。
轟は国道461号と県道大桑大沢線が交差する周辺の農地約43㌶。荊沢は今市中学校や今市工業高校の北側に位置する大谷川右岸の農地約66㌶。大昭橋から南下する市道森友芹沼線が区域中央を縦断している。
事業費は玉田500万円、轟500万円、荊沢1400万円。玉田、轟は計画樹立を予定。全体事業費は玉田約16億円、轟約15億円を見込んでいる。
新規の荊沢は用排水系統など現況を把握する基礎調査に着手。26年度計画設計、27年度計画樹立、28年度事業着手を目指していく。西茂呂は計画の検討を継続する。