さくら市は、新規産業団地候補地を蒲須坂工業団地南側地区29haに決めた。2025年度内に県に開発要望書の提出を目指しており、中村卓資市長はインタビューに答え、事前調査や地元説明会など調整を踏まえて関係機関との本格的な協議を進めていく考えを示した。候補地は国道4号氏家矢板バイパスと一般県道蒲須坂喜連川線の交差点南東側の農地。ほかの候補地6カ所と比較し、交通アクセス性や既存産業団地との連携性、用地確保や排水経路の容易性、事業効率性、法規制適用性、周辺環境調和性が最も優れていた。(2面に中村市長インタビュー)
市は候補地の抽出条件に▽一定のまとまった面積概ね20haを確保できる▽高速道路ICや国県道、都市計画道路など主要な幹線道路からアクセスが容易▽比較的平坦な地形で大規模な土地の改変を伴わない▽周辺集落地への影響が少ない▽工業拠点として既存工業団地と一体的な形成が図れる―を挙げ、7カ所の候補地を比較検討。
22年度は土地利用調整基本計画で工業誘導ゾーンの喜連川工業団地周辺地区約84ha、鷲宿の百目貫地区約75・5ha、旧河戸小周辺地区約68haの適地調査を実施。
23年度には蒲須坂工業団地南側地区約29ha、アサヒグループ食品周辺地区約22ha、上阿久津台地南側地区約34ha、葛城橋北側地区20haの適地調査を実施した。
蒲須坂工業団地南側地区は、南北に4車線の4号、東西には蒲須坂喜連川線が交差する交通の結節点。東側には主要地方道大田原氏家線も近接。蒲須坂喜連川線を西進すると主要地方道今市氏家線を経由し、構想中の東北自動車道さくら塩谷スマートIC(仮称)にアクセスできる。
候補地北側には蒲須坂喜連川線を挟んで工業団地が所在。土地の形状は平坦で周辺の集落からも一定の距離がある。
24~25年度にかけて基本構想・計画を栃木都市計画センターに委託。原形・地区界測量を八興が実施中。
市は産業団地造成の目的として市民の雇用機会の確保のほか、市外からの移住と定住を促進。新規業務委託や下請けによる市内事業者の活性化。進出企業従業員の地域購買力の向上。法人税や固定資産税、住民税の増収などのメリットを挙げた。