県企業局発電課は2025年度、桐生川発電所(桐生市梅田町4-1778)のリニューアル工事を発注する。具体的な時期は検討中としている。工事では水車や発電機、主弁、配電盤の更新のほか、水圧鉄管の補修などを行う。水車、発電機、主弁、配電盤は一括での発注を予定。事業は25年度~28年度の4カ年で進める。総事業費は約12億9000万円(税込み)。うち、9億3500万円を水車発電機更新ほか工事に充てる。
9億3500万円の内訳は当初予算で確保した同発電所設備更新費(機械装置等)3億7400万円と5月補正予算に債務負担行為として設定した限度額5億6100万円を合算した金額となる。債務負担行為に設定した限度額の内訳は27年度が1億8700万円、28年度は3億7400万円となっている。
桐生川発電所は1984年6月に運転開始。許可最大出力は470kW、常時出力15kWとなり◇最大使用水量=1・8立方m/s◇最大有効落差=39m◇水車=横軸クロスフロー水車1台◇発電機=横軸回転界磁三相交流同期発電機1台◇水圧鉄管=内径900~1000㎜、板厚6~12・7㎜、延長68・5m(1条)、うち発電専用管28・13m◇入口弁=バタフライバルブ◇放水路=総延長26・73m◇最大取水位標高=253・7m◇水車中心標高=213・2m-で整備されている。
新たに設置する水車1台の種類は既存と同じ、横軸クロスフロー水車で、出力は470kW以上を確保する。
新設する発電機は、横軸三相交流同期発電機となり◇容量=500KVA◇電圧=6600V◇周波数=50Hz◇絶縁方式=耐熱クラス155(F)-となる。
主弁は更新する方針で、更新に当たってはφ900㎜のバイプレーンバルブを1台設置する。
配電盤は◇高圧盤=2面◇制御盤=3面◇低圧盤=1面◇直流電源盤=2面-を新たに設置する。配電盤のサイズ等により、建屋を増改築する可能性もあるとしているが、詳細は未定。建屋を増改築する場合は設計委託を行う見通し。
補修を計画する既存水圧鉄管の管種はSTPY41およびSM41Aで、外面塗装または内面塗装を予定する。詳細は未定。
老朽化している発電所をリニューアルし、水力による発電を継続させることで、脱炭素社会への貢献を図ることを目的に工事を実施する。