記事

事業者
茨城県ひたちなか市

ひたちなか市/新図書館工事費45億試算/26年度着工へ準備

2025/06/26 日本工業経済新聞(茨城版)

 交流・情報・創造拠点として新中央図書館の整備を進めるひたちなか市は、基本設計概要版(案)をまとめた。施設規模がRC造(一部S造)地上2階建て、延べ床面積約4500㎡。約40万冊を収蔵可能とし、座席数訳450席を設ける。工事費には45億3000万円を試算する。本年度は実施設計を山下設計(中央区)がまとめ、2026~27年度にかけて本体・外構工事を実施する計画。その後に移転などを経て、28年度内の開館を予定している。

 新中央図書館の建設予定地は、ひたちなか市石川町地内25ほかで、東石川第4公園グラウンド敷地内にある閉鎖した石川町プールの解体跡地。敷地面積が3万174・55㎡で、うち図書館の計画範囲は約9000㎡。周囲の道路幅員については北側11m、西側8m、南側8m、東側6mとなる。

 施設の建築計画では、RC造(一部S造)地上2階建て、延べ床面積約4500㎡(建築面積約3500㎡)。最高高さが9・5m。建物内にはエレベーターを2基備え、省エネルギー基準のZEBReadyにも適合させる。

 駐車場は約120台(車椅子使用者用3台含む)収容、駐輪場が約80台分を確保する。

 勝田駅(北西)および公園(南東)からのアプローチ空間には「まちかどひろば」と「公園ひろば」の2つの広場を整備。図書館や公園と連携したさまざまなイベントが可能なスペースとする。

 平面計画によるゾーニング・フロア構成では、勝田駅側と公園側の両面から利用できるよう、東西それぞれに玄関を配置。1階は児童書架エリアや飲食休憩エリアなどにぎわいのある空間とする。2階は学習室や読書室など静かな環境が求められる空間を配置し、空間ごとにふさわしい音環境を形成する。

 1階中央部については一般書架エリアを整備。どこからでもアクセスしやすく本を探しやすい書架配置とする。その外周部には、多目的エリアや雑誌・新聞エリア、児童書架エリア(絵本・児童書)、飲食・休憩エリアなどを配置。

 2階には読書室や学習エリア、郷土資料・参考図書エリアなどを設置する。

 立面計画として、外観建物の色合いやデザインは、公園内の緑など、周辺の景観に調和した計画とする。

 さらに熱効率や整備コスト、資料の日焼けなどを考慮し、日射負荷が高い南側と西側は壁面を主体に、日射負荷が低く、公園への景観が望める北側・東側はガラス面を主体とした計画とする。

 外装材は、活動エリアにコンクリート、一般書架エリアにはアルミスパンドレル(金属板)を採用。屋根材は、耐候性・耐久性に優れる工法とし、活動エリアはシート防水、中央一般書架エリアは屋根金属とする。フラットな形状で立上りの少ない防水工法とするなど、メンテナンス性にも配慮する。

 環境計画として、高断熱化、高効率機器を採用するなど省エネ化を図り、ZEBReady(基準値に対する1次エネルギー消費量の削減率50%以上)の認証を取得する。照明はLED照明を採用し、消費電力の削減を図る。

 外構では、敷地南側に駐車場を、西側には駐輪場を配置。そのほか園路や植栽(常緑樹、落葉樹)、透水性を確保する舗装などを施す計画。

 工事費の内訳として、本体工事費が41億7400万円(建築、電気・機械設備、家具什器など)、外構工事費として3億5600万円(駐車場、駐輪場、広場、園路等)を試算する。

新中央図書館のイメージ

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら