宇都宮市は、児童相談所の建設予定地を国立病院機構栃木医療センター(中戸祭1丁目)の敷地内に決めた。北西側の縦長形状で面積は約5000平方m。7月12日に隣接する自治会や地域を対象とした住民説明会を開催する。今後は、2026年2月に基本計画を策定。用地取得手続きに向けた現地測量や不動産鑑定業務などを行い、26~29年度に基本・実施設計、整備工事を実施。30年度中の供用開始を目指す。
施設機能は北側から駐車場エリア、相談エリア、一時保護エリアの順に配置。駐車場エリアは北側の市道23号線に接する乗り入れ口付近。相談エリアは複合機能の児童相談所、こども家庭センター、青少年自立支援センター執務室、相談室など。相談者の利便性を考慮し、駐車場に隣接。
最も重きを置く一時保護エリアは保護した子どもの居室や食堂、運動場など。施設は家庭的な環境で過ごせるよう2階建ての建物を想定。子どものプライバシー保護の観点から周囲を遮るとともに相談者と動線が交わらない場所に配置する。
建設予定地の栃木医療センターは市中央地域に位置。市内3警察署を含め市内全域への迅速なアクセスが可能。ハザードエリア外のため浸水による被害リスクも低い。
また、バス停に近接し運行本数(11本/時間)も多く公共交通の利便性が高い。周囲は遮蔽物で囲われており保護した子どもの十分なプライバシーも確保できる。
土地利用条件は建ぺい率60%、容積率200%。市街化区域で用途地域は第2種中高層住居専用地域。高さ制限は、道路斜線が勾配1・25(適用距離20m)、隣地斜線が20m+勾配1・25。日影規制は4-2・5h/10m超。
建設予定地の候補は、選定指標①外環状線沿線より内側に位置②駅・バス停等(LRT停留場予定地含む)から半径250m以内③敷地面積2800平方m以上を確保可能④洪水・土砂災害・ため池・内水に係るハザードエリア外⑤施設内の緊急時に対応要請を行う管轄警察署から半径4㎞以内⑥虐待を受けた児童等に対応可能な医療機関及び乳児院から半径4㎞以内⑦高層建築物や学校等と隣接していない⑧今後、高層建築物の建設が見込まれる都心環状線外-に基づき対象地を洗い出した。
市有地(駐車場等)、民有地(商業施設駐車場、農地等)、その他公共用地(国・県有地等)から83カ所を絞り込んだ。市内全域へのアクセス性や公共交通の利便性、保護した子どものプライバシー保護の確実性、整備スケジュールや財政負担などの観点から各候補地を定量的に評価。
優先候補地として栃木医療センター内敷地に決めた。5月16日には地権者の国立病院機構から敷地売買の同意を得た。
市は26年度4月以降の基本設計と並行して用地取得や、開設に向けた職員の他自治体への派遣研修も進めていく。