昭和町は子育て支援センターの建設に着手する方針を固めた。昭和町風土伝承館・杉浦医院の改築も進める方針で、両事業関連の委託費を2025年度9月補正予算案に盛り込む。子育て支援センターは町民ニーズが高く、早期整備により子育て環境の充実を図る。注目される町役場整備はこれら事業完了後になる見込みだ。
子育て支援センターの建設候補地は、町立図書館の東側。昭和バイパスー県道甲府市川三郷線間に整備中の新路線「町道昭和玉穂中央通り線」沿いを予定する。9月補正予算案に業務委託費を盛り込み、施設内容の検討や用地取得に向けた調査などに着手。大まかなスケジュールとして着工は27年度になる見通しだ。
町は6月18日に庁内でプロジェクトチームを立ち上げており、関連部署で協議しながら事業を進める。町幹部は「中央市の子育て支援センターのようなものをイメージしている」と話した。
杉浦医院は1892年(明治25年)に建設。母屋や医院棟、土蔵、納屋など6棟から成り、敷地面積は約3300㎡。これまでの調査で1929年建設の医院棟などは今後の維持におおむね問題はないが、老朽化が進む母屋と土蔵については改築が必要と判断された。
町は改築の内容について国や県と協議を進めている。改築に伴い新たに50~60人程度が収容できる広間を母屋に整備したい考え。母屋西側の空き地を活用する。町は9月補正予算案に設計費を盛り込む方針で、26年度の着工を目指す。
同施設は地方病の治療に尽くした医師杉浦健造、三郎親子が使用していたもの。町が2010年に杉浦家から土地・建物を購入、12年8月に国の登録有形文化財に登録された。