さくら市と塩谷町、鹿沼市は東北自動車道にスマートICの設置を検討。6月27日に国土交通省関東地方整備局の相談会に参加した。さくら市と塩谷町は東北道と主要地方道今市氏家線との立体交差箇所など複数案、鹿沼市は国道293号楡木バイパスが交差する箇所など複数案を検討。バスストップ跡などを活用した本線直結型で今後は庁内検討を進め、勉強会への移行を見込む。県交通政策課によると、スマートIC整備にエントリーするにはインター新設による交通量推計や概算事業費を整備局に提示。設置箇所も3案程度を比較検討する。
スマートICを選定する前提条件は安定した交通量が見込める採算性。前後の既設ICから一定の距離があり、周辺には計画を含む産業団地や大型商業施設など新たな交通の流れが見込めることが望ましい。
さくら塩谷は、南が上河内スマートIC、北は矢板IC間の1級河川鬼怒川橋梁の北側周辺を想定。さくら市は蒲須坂地区に新産業団地を計画している。
鹿沼は南が都賀西方スマートIC、北は鹿沼IC間で、1級河川黒川橋梁の前後周辺を構想。293号を経由すると宇都宮西中核工業団地にアクセスできる。
アクセス道路から料金所までは地方自治体が整備するため地形的制約が少なく、用地や工事費などコストが縮減できることが望ましい。アクセス道路整備には55%の国庫補助制度を適用できる。
東北道のさくら市と塩谷町境にはバスストップ跡があり、鹿沼市磯町の東北道にもバスストップ跡が所在。用地買収面積が縮減でき、候補地の一つに挙げられそうだ。
勉強会では県と関係市町を主体に広域的な検討を行い、整備局やNEXCOが適宜、相談に応じる。産業団地開発など安定した交通量が見込めるICの必要性、周辺道路の現況や整備方針などを確認する。
事業中の足利スマートICは、15年に相談会、勉強会は20年にスタートしており、移行するまで5年間を要した。
ICの必要性が確認できると国は、直轄による準備段階調査を実施。地区協議会への受け皿となる準備会を立ち上げる。
国による準備段階調査と並行して地方では、概略検討としてICの社会的便益と利用交通量、ICの位置と構造、周辺道路の整備計画などインター設置に向け具体的な検討を進める。
概略検討をさらに進め、ICや周辺施設の詳細設計、整備費用と負担区分、管理運営方法を詳細検討で固める。準備会は国や県、関係市町やNEXCOなどで構成する地区協議会へと衣替えする。
地区協議会は実施計画書を策定。地方自治体から国やNEXCOなどに提出。整備計画の決定を受け、地方自治体に連結許可、新規の事業化が決まる。
本県のスマートICは05年4月、東北道上河内SAと那須高原SAで下り線出口の社会実験を開始。10年12月にフルIC化し開通した。
スマートICは高速道路の本線やSA、PA、バスストップから乗り入れできるETC専用のIC。県は比較的設置の容易なSAやPAを優先。当初は新設のアクセス道路を県道認定し整備を支援した。
東北道はこれまでにSAの上河内、那須高原、佐野、PAは矢板北と都賀西方。北関東道の出流原PAを供用した。
事業中は本線直結型で東北道が大谷、北関東道は下野、足利に加えPA接続型の壬生の整備を進めている。