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茨城県つくば市

26年度にも基本構想/図書館整備へ検討本格化

2025/07/03 日本工業経済新聞(茨城版)

 つくば市は、複合機能を持つ新たな図書館の整備検討を本格化する。新図書館は中央図書館の老朽化や狭あい化を受け、人口規模に見合った施設を整備するもの。他の公共施設との機能集約についても、庁内で検討を進める。本年度は先行事例の調査や市民からの意見収集を実施。2026年度に基本構想、27年度に基本計画をまとめる。28年度に基本設計を策定し、計画の具体化を図っていく想定。

 市図書館懇話会による提言書「市図書館の将来構想2020」では、図書館数や資料数が全国平均を下回っており、特に市西部が図書館空白地帯となっている問題を指摘。中央図書館の改築や新設の検討を求めた。新たな図書館は複合施設としての整備を視野に入れた、滞在型の施設が望ましいとしている。さらに、先端科学技術の導入による地域課題の解決や新たな価値の創出を重点コンセプトに掲げた。

 新図書館の整備に向けた取り組みとしては本年度、先行地視察を実施する。また、市民意見を収集するため、秋ごろに開催予定のシンポジウムや館内での利用者アンケートを実施する方針。26年度に基本構想、27年度に基本計画をまとめる。28年度より基本設計の策定に取り掛かりたい考え。

 現在の中央図書館は、つくば文化会館アルス(吾妻2-8)内に位置。アルスの施設規模がRC造地下1階地上2階建て、延べ床面積6064㎡、1990年度築。2024年度よりリノベーション事業を推進しており、26年度はこども(児童)コーナーの改修に取り組む。書架の更新やレイアウト変更を予定。アルス内装外改修設計業務を石川賢一建築研究所(つくば市)がまとめている。

 24年度に実施した利用者満足度調査結果では、所蔵資料への満足度が低いことが分かった。レファレンスサービス、閲覧席・学習室および電子図書館については、認知度の低さが課題として挙がった。

 本年度の図書館事業としてはその他、中央図書館の分室として位置づけている4交流センター図書室(谷田部・筑波・小野川・茎崎)において点検作業を実施。26年度以降、計画的に設備更新などを行い、機能充実を図っていく。

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