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群馬県前橋市

インセンティブ発注を導入

2025/07/08 群馬建設新聞


前橋市は2026~27年度の入札参加申請から、参加資格審査において建設工事の主観点を廃止する方針を示した。これまでの主観点における評価項目については、個別の入札案件で参加条件などに設定するインセンティブ発注により代替する方針で、現在は導入に向けて準備を進めているところ。インセンティブ発注の導入は今後、関係団体などと協議を重ねながら具体化を進めていき、26年度からの導入を目指している。

建設工事における主観点の内容は会社の技術力や社会貢献、適正な施工などを評価するもので、現在の24~25年度申請では14項目を設けている。具体的には◇工事成績等◇障害者の雇用状況◇地域貢献等の活動状況◇指名停止等の状況◇防災活動の状況◇保有技術者の状況◇インターンシップ受け入れの実施状況◇消防団協力事業所の登録状況◇安全対策への取り組み状況◇ワーク・ライフ・バランス等の推進状況◇若手・女性技術者の雇用状況◇再犯の防止等への取り組み状況-で、最大345点を加点している。また、主観点の廃止に伴い、工種別に設定していた等級格付け基準についても調整を図る考え。

これまでに設定していた項目で、活動や取り組み状況など主観点評価に対する申請率に横ばい傾向がみられることから見直しを開始。市内の各団体と意見交換を進め、主観点を廃止することを決めた。

導入に向けて準備を進めるインセンティブ発注は、これまで主観点の評価項目にあった施工実績や社会貢献、災害対応などを個別の入札における参加条件として設定するもの。入札の全案件を対象とすることは考えておらず、工事の性質や状況などから個別に検討を実施し、一部での導入となることが見込まれる。導入する具体的な条件についてはこれから詰めるところ。

インセンティブ発注にあたっては、主観点項目にある条件をそのまま参加条件へ移行するのではなく、団体と協議しながら内容の検討を進める方針としている。インセンティブ発注となる案件は、公告文の中にその旨が記載されることとなる。

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