国土交通省が『インフラ施設管理AI協議会』(仮称)について、会員企業の公募を開始した。申込受付期間は8月6日まで。同省HPから専用フォームにて申し込む。協議会は9月ごろに設立、年内に第1回会合を開催する。同協議会では河川排水機場におけるAI異常検知システムの研究・普及に向けて検討を進める。
同省では、河川排水機場にセンサーを設置し、運転時に発生する振動データを収集する状態監視やAIを活用した異常検知システムの研究開発を進めている。このAI異常検知システムの研究開発促進・普及推進を加速するために、ポンプメーカー・センサーメーカー・AI開発ベンダーの民間企業や業界団体、研究機関、行政機関および学識者で構成する協議会を設置することとしている。協議会にはワーキング・グループ(WG)を設置し、課題に関して議論を進めていく。
WGは当面『研究推進WG』のみ設置する。同WGでは、AI異常検知システムに関する最新動向の把握、国として研究方針・研究開発に利用可能な河川機械設備の運用データ提供方針を検討する。
排水機場は、台風・集中豪雨などの際に、支川の水を本川に強制排水することで内水被害を防ぐための施設。整備後40年を経過する施設が約4割を占め、老朽化に備えた効率的・効果的な維持管理手法が求められている。
AI異常検知システムは、河川機械設備から運転時データを収集し、発生している異常や故障の発生予兆をAIが検知するものを想定。同省では2029年度ごろに同省管理の河川排水機場での実装を目指している。将来的には、この研究で開発した技術を地方公共団体が保有する河川ポンプ設備以外のインフラ施設や民間事業者の保有する産業機械で展開することも視野に入れている。
なお同省が管理する河川排水機場は434施設(都道府県管理の排水機場は426施設)ある。AI異常検知システムの開発に向けたデータ提供元として、すでに25カ所の排水機場でセンサーを設置している。