国土交通省は、公共工事の発注平準化を進めるうえでの考え方を示した。平準化に取り組むに当たっては全国共通課題である『閑散期(4~6月)のボトムアップ』の改善へ優先的に実施する。『繁忙期(1~3月)のピークカット』の改善については、閑散期ボトムアップに支障のない範囲で取り組むこととした。また同省では2026年3月に平準化率の『見える化』マップを作成・公表することも明らかにした。
発注平準化について同省では『第三次・全国統一指標』を決定。平準化率や週休2日達成状況を地域ブロック単位・県域単位で公表するよう示している。また全国統一指標に加え、地域ブロックごとに地域独自指標を設定し、取り組みを進めることとしている。
地域ブロックごとの地域独自指標は、雪国など冬期に工事ができない地域を考慮したもの。25年秋までに地域ブロック発注者協議会で基準値や目標値を決定して公表する予定となっている。
閑散期に工事の稼働率が低くなることは全国的に見られる。4~6月における月あたりの工事平均稼働件数を年度全体の月あたり工事平均稼働件数で除した数値で示す『平準化率』を1・00に近づけるよう取り組みを進めており、地域ブロック単位で見た23年度実績の全国都道府県平均は0・72(繁忙期1・09)。都道府県・政令市・市区町村による県域単位で見た場合の全国平均は0・70(繁忙期1・10)。このため同省では閑散期ボトムアップに力を入れる方針。
一方で繁忙期のピークカット低減については、債務負担行為活用や積算前倒しなどの取り組み事例を26年1月ごろに作成して公表する。また閑散期ボトムアップ・繁忙期ピークカットの両方の取り組みとして、26年3月ごろに平準化率『見える化』マップを作成・公表する方針を示している。