県吾妻環境森林事務所は、整備を進めている吾嬬山線で近く2件の工事発注を目指している。東吾妻町松谷地内で行う大平工区の開設工事と、同じく松谷地内で行う高日向工区の緑化工事で、大平工区については月内に一般競争入札で公告する。高日向工区については、8月中の発注に向けて準備を進めている。入札方式は、現在検討中となっている。
月内に公告予定の大平工区開設工事は、整備が進む工区の東側へ延伸し、切土工と擁壁工を行う。また、開設工事が施工済みの箇所で行う舗装工も予定している。
切土工は土量約1700立方mで、擁壁工は路線の南側となる谷側の延長24mを対象に補強土擁壁で整備する。高さは5m程度となる。舗装工は2022年に池原工業(東吾妻町)が開設工事を行った箇所でアスファルト舗装を延長136m、幅員5m、面積約700㎡で施工する。工期は約7カ月を見込んでいる。設計は群馬県森林・緑整備基金(榛東村)が手掛けた。
大平工区は、中之条町下沢渡地内から東吾妻町、長野原町を通り中之条町六合地内へとつながる森林基幹道吾嬬山線で、整備が残る東吾妻町の3工区のうちの一つ。起点側の姉山工区と終点側の高日向工区を結ぶ区間となっている。今後も開設工事と緑化工事、舗装工事を計画的に進捗させる方針となっている。
8月中の発注を目指している高日向工区の緑化工事の測量業務は、現在、全国特定法面保護協会関東地方支部群馬県部会(渋川市)が8月中旬までの履行期間で進めているところ。2024年度に開設工事を行った箇所が対象となる。並行して調査などを行い、地質状況などの結果を受けて規模や施工内容を今後決定する。工期は約6カ月を見込んでいる。なお、開設工事は池原工業が受注している。
吾嬬山線は、主要地方道中之条草津線の中之条町下渡地内を起点とし、東吾妻町内を通り中之条町入山地内で同県道との接続部を終点とする全延長4万5880mの森林基幹道。幅員は5m。1993年から事業を進めている。整備は、残すところ東吾妻町の姉山工区、大平工区、高日向工区のみとなっており、進捗状況は24年度末で72%となる。
姉山工区は、21年度に自然災害で崩壊した斜面の復旧対策工事を進めており、26年度の完成を目指している。今後は、復旧対策工事の施工状況を見て、開設工事などを進めていく方針。