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【就任インタビュー】国土交通省 安部 賢 港湾局長/港湾政策で地域を元気に

2025/07/11 本社配信

 7月1日付けで就任した。入省35年目で、これまで本省と地方を半々経験してきた。就任の抱負を「育てていただいた方に感謝しつつ、恩返しする気持ちで臨む。港湾政策を通じ、地域が元気になることを目指していきたい」と語る。地方整備局と地域に対しては「将来像を自由に考え、実現に向けた取り組みを歓迎する」と応援する。

 港湾プロジェクトを推進するうえで「建設業者や調査コンサルタントが持続的に活動できるように環境整備をしていかなけれなならない。担い手確保や適正利潤確保を丁寧に考えていかなければ、地域の期待を背負ったプロジェクトの担い手がいなくなる」と危惧する。そのために「港湾関係者からの協力支援をいただき、総力を結集することが大事」と話す。

 港湾において安全・安心を高めるためには「ハードの整備をしっかりやっていく」とし、特に「耐震強化岸壁は港湾機能を維持するうえで、地域を支える拠点としてそれぞれにあることが大切」と強調する。

 港湾工事における脱炭素化は「2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けたロードマップを提示し、建設業者に対して技術開発や設備投資を促していきたい。作業船については、燃料消費量削減に資する機器、低炭素型作業船の効果を検証する試行工事を実施していく」と述べる。

 港湾建設現場のオートメーション化については「作業船の自律化・自動化の施策をはじめとして、省人化を図ることが重要。今後は安全管理ガイドライン策定、施工マニュアル策定、施工データ蓄積を進めていく」と説明した。

 洋上風力発電の導入促進に向けた今後の取り組みとしては「技術開発や基地港湾の基盤整備に向けた検討を行うとともに、民間事業者と連携して導入促進に取り組んでいく」と話す。

 これまでで印象に残っている仕事としては、スーパー中枢港湾プロジェクトや四国での複合一環輸送ターミナルの整備などを挙げる。

 港湾局で働く職員に対しては「地域の課題に寄り添ってほしい。さらにチャレンジし、何事も付加価値をつけてほしい。諸課題について一緒にやっていきたい」と激励する。

 地方勤務時代は、休日に各地の港をまわって文化・食・名称巡りを楽しんだ。いまはテレビドラマを録画して見ている。座右の銘は「十人十色、百人百様」。多様な価値観を尊重するよう心がけている。


【略歴】あべ・けん 1991年九州大学工学部卒、運輸省入省。国土交通省港湾局計画課長、東北地方整備局副局長、大臣官房技術参事官(港湾)を経て7月1日から現職。57歳。島根県出身。

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