県日光土木事務所は、国道121号文挾バイパス1期工区(日光市板橋~小代、延長約3500m)で、切り土工4万立方mと盛り土工1万立方mを9月までに一般競争で発注。2期工区(小代~鹿沼市境、延長約3900m)は3案の複数ルートから2025年度にも概略ルートを選定する。ルートは東の現道と1級河川行川の間のコントロールポイントを抽出。公図公簿調査を踏まえ、推奨ルートを決定。予備設計に移行し路線測量に備える。
1期工区は24年度、飛土沢を渡河するボックス工など改良工事を実施。25年度には中層混合処理工法による地盤改良工を含め盛り土工1件と近接する切り土工1件を発注。用地補償の進ちょく状況などを踏まえ、引き続き工事発注の必要性などを探る。
2期工区は北を主要地方道宇都宮今市線から鹿沼市境まで3900mのルート選定を急ぐ。平坦性の地形条件とともに、選定範囲は小倉地区圃場整備事業を実施。圃場の斜切りを避け、コントロールポイントを重視した推奨ルートを選定していく見通し。
19年度に概略設計を富貴沢建設コンサルタンツに委託。概略ルート3案を提示した。24年度には平面図化を2分割。3次元測量を適用した。同地を流れる行川の浸水想定区域図のデータを平面図化に活用。平面図化は北をヨネヤプランニング、南は安田測量が担当した。
25年度には公図公簿調査を3分割。ヨネヤプランニング、日昌測量設計、ニッコーが担当している。
文挾バイパス1期工区は23年度から工事に着手。交差する市道を工事用道路に活用し、6カ所の盛り土区間には中層混合処理工法で地盤改良する。飛土沢を流末先に3基の調整池の諸元も固めた。
1期工区はルート南端で宇都宮今市線をオーバーパス。橋梁形式に決めランプ形式で接続する。橋長は36m、上部形式に単純鋼鈑桁。下部工は逆T式橋台2基を想定。24年度に委託した詳細設計で25年度にも最適な構造形式を固める。
調整池は北側からルート中央部に第1、落合中学校付近が第2と呼称し、いずれも飛土沢のボックス工付近に配置。宇都宮今市線との交差点ランプ中央部に第3。
第1調整池の面積が2027平方m、容量2149立方m。中央の第2調整池は面積2290平方m、容量1284立方m。南端の第3調整池は面積が5042平方m、容量は1516立方m。
1期工区北側の道路と第1、第2調整池の詳細設計をダイミック、南側道路と立体構造物、第3調整池、施工計画は富貴沢建設コンサルタンツが担当。
全区間にわたり切り土や盛り土が多く軟弱地盤の改良工を実施するほか、既設の市道などをアクセス路に施工計画を精査。現道が杉並木で大型車に対応できる工事用道路の確保が難しいため、効率的な施工手順を検討した。
施工計画では交差する市道をポイントに4ブロックに分割。切り土した残土を調整池用地などに仮置きする。ルートは谷地を通るため高低差があり、高盛り土区間では飛土沢を渡河するボックス工2カ所を施工する。
宇都宮今市線との交差部は、バイパスが北側の切り土区間から宇都宮今市線と飛土沢の上部を横断。接続は飛土沢の南側に道路を築造。バイパスの東側にランプ形式で接続させる。
市道とは平面交差。主要交差点は板橋交差点付近の1016号線、落合中学校付近の1018号線など。このほか幅員が狭い市道との交差が数カ所あり、盛り土区間などでは側道を利用し交差点を統合する計画。
バイパスは2車線。標準幅員は家屋が多い北側の約700mを両側歩道の14・5m、南側の約2800mは片側歩道の12m。幅員構成は車道3・25m×2、路肩兼自転車専用通行帯1・5m×2、歩道幅員は2・5m。片側歩道は落合中学校がある西側に設置する。交差点部は3mの右折レーンを確保する。