沼田市は、沼田浄水場(下久屋町915)の更新事業で、近く官民連携導入可能性調査業務を公募型プロポーザル方式により公示する。履行期間は2025年度末までとし、市の状況などの基本調査やPPP/PFI手法の比較検討、民間事業者への意向調査などを行う。
調査後、計画では26年度に詳細設計業務を行い、27年度から送水管や浄水施設の建設工事に着手、33年度からの供用開始を目指すスケジュールとなっている。
建設地は、白沢地区コミュニティセンター(白沢町平出135-1)の東に位置する白沢町高平地内の市有地。農地転用は完了している。敷地面積は約1万4000㎡で、既存施設よりも標高が96m高く、標高差による位置エネルギーを利用した自然流下方式で配水するため、停電時の断水リスクの軽減やランニングコストの低減が期待できる。浄水方式は既存と同じ急速ろ化方式で、容量は1日あたり1万3300立方mとなる。
既存浄水場は、浄化用高架水槽、中区高架水槽、沈殿池などから構成され、建設から40年以上が経過。コンクリートの劣化や建物の老朽化が著しい状態となっている。
将来的には周辺の水道施設である下久屋上簡易水道や清水町簡易水道、白沢簡易水道との施設統合も可能としており、老朽化した下久屋町地内の低区配水池を廃止し、既存の浄水場敷地内に配水池の整備を行う方針も見込まれる。また、自然流下方式となるため、老朽化の懸念がある中区と高区の高架水槽の撤去も可能としている。
調査業務には当初予算で確保した1574万3000円を充てる。財源として国土交通省の上下水道一体効率化・基盤強化推進事業の交付金を活用する。
基本計画はNJS(東京都港区)が手掛け、基本設計については新日本設計(長野県長野市)が受注している。