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国土交通省北陸技術事務所

空輸運搬想定し訓練/分解組立型バックホウ

2025/07/17 新潟建設新聞

 北陸地方整備局北陸技術事務所は、分解組立型のバックホウについて災害時の「空輸運搬」に備えて分解・組立訓練を実施している。同事務所では2004年の中越地震の際、陸路が寸断されたためバックホウを分解、空輸して旧山古志村へ運び、現地で組立を行ったことを契機に、14年3月に分解組立対応型の遠隔操縦式バックホウを配備。万が一の災害時には機械を分解してヘリコプターによる空輸と現地組立ができるよう備えている。

 訓練は、新潟市西区の同事務所新潟防災センター内で1・0立方級のバックホウを対象に、協定を結ぶ日本キャタピラーの担当者が分解と組立訓練を各5日間で実施。訓練は3年ぶりとなり、15日には訓練の一部が公開された。

 対象となるバックホウは、ヘリコプターによる空中輸送および現地で小型移動式クレーンによる組立が可能。1パーツユニット当たり2・8t未満で分解ができるよう15分割する。分解・組立に要する時間は、工場で行う分解作業が4人で3日間、現地での組立作業は小型移動式クレーンを2台使用して5人で4日間となる。

 遠隔操縦式バックホウは、約150m離れた場所からも操縦可能で、2次災害を避けながら災害復旧活動を行うことができる。導入以降、14年4月には新潟県からの要請により十日町市の国道353号土砂崩れ対応に出動したほか、16年4月の熊本地震にも出動するなど、これまでに5件の災害で出動実績はあるものの、実際に分解・輸送・組立作業を実施したことはない。

 なお同バックホウは、総合水防演習の災害対策車両展示などにも登場しており、子どもたちから人気を博している。

【写真=分解したパーツの組立作業を実施】

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